日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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統治権とは何か

 結論から言えば、統治権とは、現在の学説からは主権であり王権になります。しかし日本においての統治権とは、シラスになります。主権とは何かにおいて述べていますが、まず王権を持つ国王が、その国の領土そして人民を統治します。フランス絶対王政の時代のような絶対的権力を持つことになります。

 

 では日本においての統治権としては、シラスとは何かにおいて述べていますが、天皇と民との君民共治が原則になります。現行の日本国憲法では、統治権と主権を同じで考えていますが、帝国憲法において以下の条文がありました。

 

大日本帝国憲法
第一条 大日本帝国は万世一系の天皇之を統治

 

 第一条の“統治”の意味にはシラスの原理になります。伊藤博文が帝国憲法を制定することになりますが、同じように関わった人に井上毅という人物がいます。帝国憲法のまだ草稿の段階で、井上毅は以下の条文を第一条に考えました。

 

井上毅
第一条 日本帝国は万世一系の天皇の治(シラ)す所なり。

 

 帝国憲法が日本の歴史、伝統、文化から制定された憲法であり、統治の意味をシラスに当てはめていることがわかります。では今の憲法において“天皇之を統治す”という文言が入っていないが、なくなってしまったのかと言われれば、今でも統治は行っています。

 

 なぜなら、天皇を中心に政治的権力を持つものが政治を行うことになり、天皇の名で行うことになります。今では、内閣総理大臣の任命や最高裁判所の長たる裁判官の任命などが当たります。直接的な政治権力があるかではなく、国家の代表としてあるいは象徴でも意味としては同じですが、天皇が統治をしていることになります。しかしヨーロッパの主権概念から日本を考えるのではなく、日本の歴史、伝統、文化から日本を考えることが必要になります。

 

 結論として、統治権とは、シラスになります。主権とは違います。

 

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