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伊藤博文の憲法義解〜第五条〜

 第五条になります。

 

第五条 天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ
(天皇は帝国議会の協賛により立法権を行使する)

 

現代語訳
 恭んで考えるには、立法は天皇の大権に属しており、そのためこれを行使するには必ず議会の賛成や協力による。
天皇は、内閣に起草させ、あるいは議会が提出した法案により、
両院の同意を経た後に、これを裁可して初めて法律となる。
ゆえに至尊たる天皇は行政の中枢であるばかりでなく、立法の淵源でもある。
(附記)これをヨーロッパの制度を参考にすると、百年以来、偏った理論ひとたび時代の変化と投合して、立法について議会の権利に帰したり、あるいは法律によって上下の約束として、君民共同の事柄とすることを重点にするというのは、要するに主権によって国家を一つにするという大義を誤るものであることを免れない。
我が建国の体において国権の出所は一つであって二つではないことは、例えば、人体において主の一つの意思によって身体全体の骨を動かすようなものである。そのため議会の設置は、元首の機能を完全にするために助け、国家の意思をよく鍛えて強くしていく効用を見るためにほかならない。思うに、立法の大権はもとより天皇が掌握されるところであり、議会は協力や参加の任にある。天皇が本で議会が末であるという関係は厳然として、乱れるようなことをしてはならない。

 

口語訳
 恭(つつしみ)て按ずるに、立法は天皇の大権に属し、
而してこれを行うは必ず議会の協賛による。
天皇は内閣をして起草せしめ、或(あるい)は議会の提案により、
両院の同意を経るの後これを裁可して始めて法律を成す。
故に至尊は独り行政の中枢たるのみならず、また立法の淵源たり。
 (附記)これを欧州に参考するに、百年以来偏理の論一たび時変と投合し、
立法のことをもって主として議会の権に帰し、或は法律をもって上下の約束とし、
君民共同のこととするの重点に傾向したるは、
要するに主権統一の大義を誤る者たることを免れず。
我が建国の体に在て国権の出(い)づるところ一にして二ならざるは、、譬(たと)へば
主一の意思はもって能く百骸を指使すべきが如し。
而して議会の設はもって元首を助けてその機能を全くし、
国家の意思をして精錬強健ならしむるの効用を見むとするに外ならず。
けだし立法の大権は固より天皇の総ぶるところにして、議会は即ち協翼参賛の任に居る。
本末の間儼然(げんぜん)として紊(みだ、乱)るべからざる者なり。

 

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