日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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伊藤博文の憲法義解〜第十八条〜

 第十八条になります。

 

第十八条 日本臣民たるの要件は法律の定むる所に依る
(日本臣民たる要件は、法律の定めるところによる)

 

口語訳
 日本臣民とは外国臣民とこれを区別するのいうなり。日本臣民たる者は各々法律上の公権及私権を享有すべし。これ臣民たるの要件は法律をもってこれを定むるを必要とする所以(ゆえん)なり。日本臣民たるに二つの類あり。第一は出生に因る者。第二は帰化又はその他法律の効力に依る者。
 国民の身分は別法の定むるところに依る。ただし、私権の完全なる享有と及公権は専ら国民の身分に伴随(はんずい)するをもって、特に別法をもってこれを定むるの旨を憲法に掲ぐることを怠らず。故に別法の掲ぐるところは即ち憲法の指命するところたり。又憲法における臣民権利義務の由て係属するところたり。
 選挙被選の権・任官の権の類、これを公権とす。公権は憲法又はその他の法律によってこれを認定し、専ら本国人の享有するところとしてこれを外国人に許さざるは各国普通の公法なり。私権に至ては内外の間に懸絶の区別をなしたるは既に歴史上の往事に属し、今日は一二の例外を除く外、各国大抵外国人をして本国人と同様にこれを享受することを得せしむるの傾向を取りたり。

 

現代語訳
 日本臣民とは、外国臣民と区別した言葉である。日本臣民たる者は、各々法律上の公権及び私権を享有している。これが、臣民の要件は、法律で定める必要がある理由である。日本臣民たる者には、二種類ある。第一は出生による者。第二は帰化またはその他法律の効力による者である。
国民の地位は、別の法律で定めるところによる。ただし、私権の完全な享有と、公権はもっぱら国民の地位に随伴するので、とくに別の法律で定める旨を憲法に掲げることを怠らない。ゆえに、別の法律に掲げるところは、憲法の指し命じるものである。また憲法における臣民の権利義務と関係するところである。
選挙権や被選挙権、任官の権利などを公権とする。公権は、憲法またはその他の法律でこれを認定し、もっぱら本国人の享有するもので、外国人に許さないのは各国の普通の公法である。私権について内外の間に隔絶の区別をしたのは、すでに歴史上の過去の出来事であり、今日では一、二の例外を除いて、各国でも大抵、外国人を本国人と同様に享受できるようにする傾向がある。

 

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