日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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民主政治における支配の原則

 アリストテレスの3つの政治体制の一つとして民主政があります。
民主政はすぐに堕落政体である衆愚政に陥ることになると言われます。
それは扇動政治家が現れ、優秀な人達が排撃されることにより、国家が破滅へと向かうためです。

 

 しかし現在の国家においては民主政の原則があります。
いわゆる民主主義と言われているものになります。
まず制度としての民主制は、一人一人の国民が直接的あるいは間接的に代表者を決めることになります。

 

 そこで民主制において知っておいてほしいことがあります。

 

 「8分の1プラス1理論」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
自民党の総理総裁を務めた田中角栄も派閥の勢力拡大のための基本理論としていたと言われるものになります。

 

例えば、480人いる衆議院議員を動かすには、
 480÷2=240+1=241人
ここで過半数になります。
 240÷2=120+1=121人
自分の派閥を含めて、過半数を占めること。
 120÷2=60+1=61人
さらにその中核をなす人達を自分に取り込むこと。
 つまり480人全てを動かすには、8分の1プラス1の61名の中核をなす人達を組織としてつくることができれば、他の419人を動かすことができます。
 では間接民主制ではその問題点があるのであれば、直接民主制の方が優れているかといわれると、国民の一人一人が代表者を決めることになります。
直接民主制はアリストテレスが分類する民主政、つまり古代ギリシアのアテナイにおける民主政があります。
卓越した指導者がいた時期であれば、問題はありませんが、その人がいなくなった途端に、衆愚政に陥り、お互いがお互いの足を引っ張り合うようになります。

 

 結局、より安定的な政治をするのであれば、議会に選挙区の代表者を集め、政治に対する知識や判断などができる人達で喧々諤々の議論を行い、そこから行政の長を選ぶ議院内閣制の方が安定的といえます。
しかし、「8分の1プラス1理論」については頭に入れていただき、議員が、時の権力者の「駒」にならないようにしてほしいと思います。

 

 ちなみに「8分の1プラス1理論」について同じようなことを言っている小説、アニメがありますので、こちらもご紹介しておきます。

 

 銀河英雄伝説になります。
 銀河英雄伝説とは、徳間書店から出ています、田中芳樹著者のSF小説になります。小説やアニメ、ミュージカルもやっていました。
 その中に出てくるキャラクターでハイドリッヒ・ラングという人物が出てきます。
この人物がパウル・フォン・オーベルシュタインに挨拶?をしていたときの言葉です。
 「私が思いますに、どのような上着をまとおうとも、政治の実相はただひとつです。(中略)少数による多数の支配です。(中略)
全体を100として、そのうち51を占めれば、多数による支配を主張できます。
ところがその多数派がいくつかのグループに分裂しているとき、51のうち26を占めれば、100という全体を支配できます。
つまり、四分の一という少数を占めただけで、多数を支配することが可能となります。」
出典:田中芳樹『銀河英雄伝説4策謀篇』(徳間文庫、1997)

 

 アニメだからSF小説だからとバカにするのではなく、「8分の1プラス1理論」と同様の政治の実相について述べています。

 

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