日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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憲法典とは何か

 憲法には、憲法を構成するものが必ずあります。つまり憲法の条文だけで政治を行うことが出来ませんので、関連する法律などの法整備が必要になります。これを憲法的法規といいます。

 

 また憲法に記載するものではなく法律として明記するものでもない、慣習や法規範で運用する憲法的習律があります。これらを考えずして憲法の条文だけを考えても意味がなく、ようは器を変えて中身を変えず、机上の空論で終わってしまいます。

 

 さて、憲法典について考える際には、憲法がないと言われるイギリスで見ていきたいと思います。イギリスは憲法がない不文憲法の国と言われますが、成文化された憲法がないという意味で、イギリス憲法はあります。まずイギリスにおける憲法(constitutional law)には、憲法的法規(law of the constitution)憲法的習律(convention of the constitution)に区別されています。

 

 憲法的法規とは、イギリスのマグナ・カルタ、権利請願、権利章典、議会法や王位継承法などが当てはまり、マグナ・カルタのような古い憲法的法規をいかに現在のイギリスの政治に合わせていくか、そのために憲法的習律があります。
 憲法的習律とは、例えばイギリスの首相は庶民院議員でなければならない(1902年)ことや、国王は庶民院多数党党首を首相に任命すること、議会が可決した法律案を国王は拒否しないことなどがあります。

 

 日本においての憲法的法規とは、国会法や内閣法、憲法改正手続法などが該当します。帝国憲法においては、内閣官制や枢密院官制など、他には内閣の政令、各府省の府令や省令、勅令も該当します。また日本の憲法においても憲法的習律はあります。とはいえ現在の日本国憲法よりも帝国憲法の時代の方が運用されていました。帝国憲法は、よくプロイセン憲法(ドイツ憲法)から参考にされたと言われています。もちろんヨーロッパに憲法調査に行く際にはグナイストやシュタインから学んだことは他のページでもお話していますが、衆議院の役割や日露戦争後の大正デモクラシーの時期になりますと、イギリス型の議院内閣制が形成されていくことになります。それにより憲法的習律が確立していくことになります。

 

 ここまでをまとめておきますと、日本においては、成文憲法である憲法と憲法的法規、憲法的習律によって憲法典が構成されています

 

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