日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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道徳規範は憲法には書き込まない

 道徳規範とは、人としてしてはならないことになりますが、これを仮に憲法の条文として明記した場合、恣意的な運用をされることになりますので、明記をするべきではありません。

 

 現在では日本人的な道徳がありますが、明治期においては、教育勅語として道徳規範を示していました。道徳規範になりますので、日本人みんなで守っていきましょうという内容であり、これを守らなければ罰せられるというわけではありません。しかし憲法典の中で言えば、憲法的法規になります。

 

 道徳規範を法律や規則で定めたものとして、幕末で有名な新選組の掟である局注法度があります。

 

士道に背くべからず

 

 士道とは、武士道のことであり、武士道に背くことは死罪になります。本来は運用が難しく、何をもって士道とするのか、どこからが死罪の対象になるか、結局恣意的な運用でしか対応出来なくなります。実際に鬼の副長と言われた、土方歳三が運用を行っていました。それ故に鬼の副長と言われ、次々と切腹などを命じられることになり、その中には、新選組結成前からの日野試衛館時代の知り合いである山南敬助も対象となりました。ちなみに土方歳三は、戊辰戦争が始まった後は文字通り最初から最後まで、つまり五稜郭の戦いまで戦い戦死した人物になります。

 

 恣意的な運用がされる可能性があるところから、法と道徳は切り離す必要があるわけです。また道徳を法として考える場合に思い浮かぶのが自然法になります。自然法は西洋の法学において使われ日本でも使われることがある言葉ですが、モーセの十戒や聖書などの道徳に関するものがそれにあたります。

 

 このように帝国憲法制定当初であれば、道徳を憲法に書きこむべきではないことをわかっていたため、勅語今で言えば「おことば」になりますが、勅語として教育勅語が制定されました。教育勅語の起草に井上毅が携わっており、神道を始めとする宗教色を弱めることは、井上毅伝からも確認が出来ます。つまり宗教色を薄くすることで多くの日本人の道徳規範として定められたものになります。

 

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