日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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大化の改新後の統治権について

 大化の改新は、蘇我氏による専横から中大兄皇子、後の天智天皇と、中臣鎌足、後の藤原鎌足らによって、乙巳の変というクーデターを起こし、それ以前の氏族性時代の政治体制から、改新の詔が出され、唐の律令法を継受する形で、新たな体制へと変わりました。その際の天皇の統治権は、以下のようになります。

 

氏族性時代にあった、
・神事大権
・兵馬外交大権
はそのままになります。
・族制大権が分化することになります。
1 民政大権
 一般の土地や人民に向かって行政を行うことになります。諸氏族の私民や私領を廃止して、一つの国家の公民や領土とするため、中央より官吏を派遣し、行政を行うことになります。
2 司法大権
 諸氏族の中にいる多くの家族達が、氏上家長の不当な裁断に対する上訴を聴き、特赦を行うことになります。つまり天皇が氏上家長を監督して不法がないように、上訴権を認めるものになります。
3 授爵大権
 姓の制度を廃止しましたが、氏族の品格を廃することはせず、八色の姓として制定しました。天皇は、その姓を授けることが出来ます。
4 編成大権
 政治を諸氏族で行っていたことをやめて、学識才幹ある者によって委任するものになります。天皇が行政各部の編制、文武官の任命をすることになります。今日まで残るこの大権は、この時代から始まります。
5 叙位大権
 位冠の制度を定めるものであり、それを授けるものになります。冠位十二階になりますが、明治においては、爵位などを授けたりしていましたが、現代でも勲章などを授けますので、残っているものになります。

 

また天皇特権の発端になるものが、この時代から始まります。
1 帝宅経営の権
 中務省を置き、禁中の調度に備えます。明治においての宮内省や現在の宮内庁になります。
2 守衛儀仗の権
 禁中の守衛になります。明治においての近衛師団や現在の皇宮警察になります。
3 敬称の権
 天子という敬称は、祭祀。天皇という敬称は、詔書。皇帝という敬称は、対外に称します。陛下という敬称を使う権利もあります。
4 国礼の権
 皇室の吉凶の礼をもって国家の大礼とするものになります。これは古来からの慣例で、治部省を置くことになります。
5 特別法護の権
 天皇や皇族に危害を加える場合は重罪となります。これは古来からの制度になります。
6 財政上の特権
 大化の改新において国家の財政と皇室会計は分離しません。租庸調つまり税を朝廷に収め、官庁の費用を支弁することになります。

 

 このように、大化の改新後、後々に繋がる権限が、すでにこの段階で見えてきています。これが連綿と続く歴史であり、その伝統文化を今なお受け継いでいるといえます。

 

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