日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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井上毅の憲法意見第一を読む

 井上毅がイギリスを模範とする立憲制度に反対的ということについて、明治14年6月に出された「憲法意見第一」というものがあります。

 

 これには、イギリスとプロイセンを比較しています。
 イギリス議会は立法権だけではなく、行政の実権を掌握していること、イギリスのことわざを引いて、「英国議院はなし得ざることなし。ただし男をして女たらしめ、女をして男たらしむこと能はざるのみ」ということを意見として出しています。
 プロイセンについては国王が統治するのみならず、国政を理し立法の権は議院とこれを分けるが行政の権は、国王の手中にあるということです。
 そして重要な部分としては、イギリスの政治体制が難しい理由として、日本では政党は未だ結成出来ていない点、一つに団結して政党が出来ないこと。行政は、各局各課の長などは変わらないが、主要閣僚やその下に至るまで一つの多数政党が組織し、選挙で敗北すれば交代するが、その人材がいない。

 

 明治維新の名残や廃藩置県など、地域によっては恨みもあるため、仮にイギリス流で行えば、内閣交代が毎回行われ、国の平安が怪しくなります。立憲の大事を考えるのであれば、一時に急進して、後で後悔するよりは、今はプロイセンにならって漸進した方がいいと思うという意見になります。

 

 明治維新の背景には、不平等条約もあり、ロシア帝国が南下するという世界の大きな流れがあり、その中で、維新という一大改革を行いました。その状況から国内の平安を乱すよりは、天皇を中心として一致団結がされてきている状態であるため、今はプロイセン型にならう方がいいという判断になります。決してイギリス型を批判しているわけではありません。

 

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