日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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天皇主権から国民主権に変わったとは嘘

 よく戦前の帝国憲法は天皇に主権があり、日本国憲法においてはその天皇に主権がある状態から、国民主権に変わったということがよく言われています。といいますよりは、東大憲法学においてはそのようになっています。

 

 この天皇主権から国民主権に変わったとは誤りに等しいものになります。なぜなら天皇に主権があり、実際上の政治を行った場合の政治的責任は誰が取ることになるのか。この問題が出た場合反論が出来なくなってしまいます。

 

 天皇は統治権の総攬者として、権力の源泉であり、それだそのままの意味として権力の源になるものは天皇にあるということになります。しかしこれは実際に権力を行使するものではなく、必ず行使をする役割を持った機関が存在します。輔弼者としての内閣、協賛者となる議会、輔翼者たる参謀本部や軍令部があります。一言でいえば権力を実際に行使する役職が設けられています。もし政治的責任を負う場合、権力を実際に行使する立場の各機関が責任を負うものになります。

 

 また帝国憲法第3条に以下のように定められています。
第3条 天皇は神聖にして犯すべからず

 

 この条文を見て、天皇は現在の神であり、臣民は崇め奉らなければならないということを言う人がいますが、意味が違います。これは天皇に政治的責任を負わない、政治的無答責を現すことと天皇を害する人は国家の敵ということの意味になります。ちなみにどこの国の君主国においても定められているものになります。つまりそもそも天皇主権という概念自体が当時の通説ではなく、その通説ではないことから出た、天皇主権から国民主権に変わるというのは、筋違いな話となります。

 

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