日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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憲法無効論について

 憲法無効論という論議があります。帝国憲法の改正には限界があり、今の日本国憲法は押しつけ憲法という側面や、日本の歴史、伝統、文化に反する条文内容や手続き部分を見ても無効という話になります。

 

 またよく言われることで、今の日本国憲法の改正を行う形で自主憲法を制定すれば、占領によって押し付けられた憲法を認める形になるため、国会による決議で日本国憲法を無効にしようという動きがあります。しかし現行憲法によって認められている国会が、日本国憲法を無効にするという国会決議を行うということは、フランス革命後において王政を廃止したことと同じです。フランス革命後に制定された1791年フランス憲法に、ルイ16世がイギリス流の「君臨すれども統治せず」に即した君主として認め、人および市民の権利義務に記載がある国民主権の名の下に選ばれた国民公会いわゆる国会と同じですが、その決議によって王政を廃止し、フランス第一共和政が成立しました。つまりこれと同様の意味合いであり、それは革命になります。

 

 憲法無効論で言われていることは、日本で革命を起こすことと同義になります。そのため、単純に国会決議で日本国憲法を無効にすることはできません。

 

 では憲法無効論を本当に行うとしたらどのようにすればいいのか。日本の歴史から見て一回だけあります。慶応3年12月9日(1868年1月3日)に王政復古の大号令という宣言を天皇が出しました。これは今までの、幕府である征夷大将軍や朝廷の摂政・関白などを廃止し、総裁、議定、参与の三職を定め新政府を樹立することを宣言したものになります。いわば江戸徳川幕府だけではなく、大化の改新以後続いてきた律令政治も廃止し、新政府を樹立することを意味しますので、革命に等しいものにはなります。ただし革命は体制派を打倒する所から始まりますが、日本の歴史、伝統、文化を表す天皇がこれを行いましたので、意味合いが異なります

 

 現実的に出来るか出来ないかは別としても、この王政復古の大号令と同じようなことが出来れば、日本国憲法を無効にすることは出来ます。しかし憲法無効論で言われている所の、国会決議による日本国憲法無効については革命と同じであるため、無効にはなりません。

 

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