日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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日本国憲法三大原則の矛盾

 日本国憲法の三大原則とは、国民主権基本的人権の尊重平和主義になりますが、これは矛盾しています。

 

 つまり北朝鮮に拉致された人達がいるという現実の中、取り返すことが出来ない現状があります。それはまさに日本国憲法三大原則の基本的人権の尊重に反しているわけです。そしてそれを担保する立場にあるのは、政府になります。

 

 その政府が、憲法第9条の条文を元に平和主義を建前に、拉致された人達を助けるために軍事力の行使という選択肢がありません。といいますより、国防軍としての役割を果たせない、あくまで軍事力を持った警察程度の位置づけでしかありません。これはそもそも、主権国家としてはおかしなことだといえます。

 

 19世紀の大英帝国にパーマストンという首相や外相を歴任した人物がいます。パーマストンは、砲艦外交で有名な人物でアヘン戦争やクリミア戦争などを始め数々の戦争に関わっています。1850年にドン・パシフィコ事件というものが起きました。その時に、ギリシャ政府に権利を侵害されたユダヤ人商人であるドン・パシフィコがイギリス外務省に助けを求めたことがきっかけでした。そこでパーマストンは歴史に残る名演説を以下のようにしました。

 

 「古のローマ市民が『私はローマ市民である』と言えば侮辱を受けずにすんだように、イギリス臣民も、彼がたとえどの地にいようとも、イギリスの全世界を見渡す目と強い腕によって不正と災厄から護られていると確信できるべきである

 

出典:君塚直隆『パクス・ブリタニカのイギリス外交パーマストンと会議外交の時代』(有斐閣、2006)

 

 今でもイスラエルとレバノンの紛争においても拉致された場合、取り返しそれ以上の報復を行っています。それぐらいのことを行うのがいわゆる普通の国です。しかし日本においては、平和主義の名の下に憲法9条があり、自らを縛り取り返すことができません。
 このようにそもそも矛盾する原則を抱えているのが現行の日本国憲法です。

 

 最後に日本国憲法第1条について、他の所でも述べていますが、合わせて取り上げておきますと、

 

日本国憲法
(天皇の地位・国民主権)
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

 という憲法第1条ですが、日本国民の総意に基づいて、天皇は日本国の象徴、日本国民の統合の象徴になっています。では日本国民の総意に基づかない場合、天皇はどうなるのでしょうか。他の所で述べていますので、そちらで確認してみて下さい。
国民主権とは実は危険な言葉

 

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