日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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官僚にとっての内閣法制局とは

 官僚の世界では、霞が関の中で最強官庁と言われるのは旧大蔵省現財務省で、とくに主計局が他省庁の予算編成権を持っているため力関係が強く、また予算作成時にはキャリアやノンキャリの隔てなく作成することで結束力も固い組織になります。そして力関係が強いことから「我は富士山、他は並びの山」といわれる言葉が出てくる程です。しかし内閣法制局に至っては予算がとくに必要ではなく、かかる費用といえば人件費になります。官僚の人件費については人事院で決められている給料になりますので、各省庁が行っている「主計局詣で」と呼ばれるようなことを行う必要がありません。

 

 また自民党田中角栄が首相の時期に、いわゆるバラマキ政策として、インフレ傾向にある景気状態にあるにもかかわらず赤字国債を刷り、列島改造や福祉政策に予算をつけていました。しかもその流れは止まらず、次の福田赳夫、三木武夫と歳入よりも歳出が上回る政策を行ってしまい、当時の大蔵省も止めることができませんでした。

 

 そんな中大蔵省に村上孝太郎官房長という人物は「赤字国債を発行しないようにするには、赤字を出さなければよい」、無駄な支出は出さないようにすればいいという考えを持っており、国会議員にそのためのキャンペーンを行っていました。そして余った予算は繰越金として翌年に使えるようするという単年度予算に幅を持たせようと考え、法制化も検討されましたが、内閣法制局によって実現はしませんでした
 つまり憲法第86条の会計年度独立の原則に反するというもので、時の内閣法制局長官は高辻正巳氏でした。

 

 このように大蔵省といえども、憲法や法律の解釈を担う内閣法制局の反対にあえば、政策化することが出来なくなります。いわば、大蔵省を含めた各省庁において政策における「拒否権」をもっており、国会議員といえども同様になります。国会議員が本当の意味で官僚を使いこなすのであれば、憲法や法についての知識や政府財政や予算について深く把握しておく必要があります。

 

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