日考塾〜憲法とは即ち歴史である

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史上最強官庁内閣法制局の強さ

内閣法制局とは、内閣府の中にある一組織であり、政府の統一的解釈をする機関になります。
強さの否決については、以下の項目になります。
・法律に詳しい(最高裁は天下り先)
・憲法解釈を独占(実は主権者)
・法案審査を独占(官庁の中の官庁)
・予算統制が効かない(主計局より強い)
・天敵(枢密院)がいない

 

法律に詳しい(最高裁は天下り先)
まず内閣法制局長官を歴任された人達の天下り先と言えば、最高裁判所判事になります。その他に最高裁判事が天下り先と言えば、外務省条約局長を経験された人になります。最高裁判所判事15名のうち2名は官僚枠となっています。そして高辻正巳という内閣法制局長官経験者が判事になって、最高裁で出された判決を覆す判決を出させるなど、逆らえばどうなるかわからないのが最高裁判所です。
そして法律に詳しいということについては、明治以来の法律の流れが頭の中に入っているぐらいの秀才集団とも言われるぐらいで、若手の政治家はおろかベテラン政治家でさえおいそれと敵に回せない集団と言えます。

 

憲法解釈を独占(実は主権者)
 日本国憲法が成立して以来、憲法は1度も変わっていません。変わらないということは、それを解釈運用する人達が力を持つことになります。運用するのは政府ですが、政府の統一的解釈をしなければなりませんので、解釈権を握る内閣法制局が実際上力があり、実は主権者ともいえます。

 

法案審査を独占(官庁の中の官庁)
 政府の統一的解釈を担うため、新しい法律や制度を制定する場合に法律案を作る必要があります。各官庁が各々法律案を作りますが、衆議院や参議院に上程するまでに、内閣法制局において審査をすることになります。その審査はすごく厳しく、ものによっては、法律名以外すべて修正ということも多いと言われています。そのため各官庁も頭が上がらない官庁となります。

 

予算統制が効かない(主計局より強い)
 財務省主計局は、官庁の中の官庁、「われは富士山、他は並びの山」と言われるぐらい予算審査を厳しくやる所になりますが、内閣法制局については、関係がありません。なぜなら予算を付けるものがほとんどなく、あるのは人事院で定められた給与になります。その給与を下げるわけにもいきませんので、主計局による予算統制が効きません。そんなことから主計局よりも強い官庁になります。

 

天敵(枢密院)がいない
 戦前は枢密院という組織がありましたが、戦後になりなくなりました。内閣法制局にとって、枢密院は天敵であり、法制局長官であった佐藤達夫長官は「夢に見るまで怖かった」というぐらい審議が厳しい所でした。そんな枢密院がいないことから、今や史上最強の官庁といえるぐらいに強力な官庁になっています。

 

 本来国会議員とは、法律を作ることや政府が出す法律案を協議や審議をする場になります。しかし政治家は、それを忘れ、政府が作った法律を通すだけの機関に成り下がっており、自分達が法律を作ったりする役割を持っていることを忘れています。
法格言に、「後法は前法を優先する」というものがあります。
内閣法制局によって、これは出来ませんと言われ、諦めて終わるのではなく、その法格言を意識し、自分達が法律を作る役割を担っていることを認識すれば、このようにはならないと考えます。とはいえ、明治以来の法律の流れが頭の中に入っているという人達をどう理論武装して、論破していくかになると思います。


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