法と法律の違い、わかるようでわかりづらい法を紹介

 

法

はじめに

 

法と法律どっちがどういう意味なのかよくわからないと考えたことはありませんか。

 

ここでは、なんとなくわかっているけどわからなかった法と法律の違いやそもそも法の意味や本質についてご紹介します。

 

 


 

法とは

 

法と法律の違い

まず法と法律の言葉の違いについてご紹介します。

 

法とは、「しなければならないこと」、「できること」を表す法規範のすべてをいいます。

 

それに対して法律とは、一定の手続によって定められた具体的な法規範をいいます。
例えば、国会で制定された法律は、文字としても意味としても当てはまります。

 

法は法律を含むものであり上位の概念といえます。

 

法とな何か

法とは何か、これは社会にいる人達の心意が人類の利益のために破らない方がいいものと認識される社会生活の意思を規律するものです。
ようは、社会の多くの人達にとって、自分達のために「しなければならない」と認識されることを前提としています。

 

そして「社会生活の意思を規律」するというのは、法が人類の意思の発動を支配し、その向かうべき標準を示すものであることを意味します。
ようは、法によって人類の意思における標準を示すものとなります。

 

法は、行為の準則となるため、人の内面を規律することはなく、その行為の意思の外に現れることで始めて法の規律するところとなります。
ようは、何かの行為をすることで、法に触れるということです。

 

法の本質

法は、社会生活を存立の前提としています。

 

人類の意思を規律するには、2つあります。
制限的規律と能力的規律です。

 

制限的規律とは、意思の発動を制限してなすべきことをいいます。
つまり「しなければならない」を定めます。
これに対する違反は違法行為となります。

 

能力的規律とは、意思の発動に自然には存在しない力を与えまたは否定するものをいいます。
つまり「できること」を定めます。
これに対する違反は無効行為となります。

 

この2つの中間には法の規律がない区域があります。
つまり「してもよい」の範囲です。

 

何をもって法というのか

法が成立するには、いくつかあります。

 

例えば、

 

立法権者の制定による場合
事実上の慣習による場合
裁判所の判決による場合
行政官の行為による場合
社会の正義意識による場合

 

です。

 

法は、常に社会心意において破らない方がいい規律として認識することによってその成立の根拠となります。
だから、直接の発生原因を問うものではありません。

 

法がなぜ存在するのかといえば、人類の利益のためです。
利益というのは必ずしも物質的または経済的な利益を意味するものではなく、満足感を起こすべき状態をいいます。

 

人類の利益には、その帰属する場によって、個人の利益、国の利益、社会的利益の3種に分けることになります。
法はこれらのすべてを保護するために存在するものであり、相互の衝突を調和し、各々を保つことが法の主たる目的として存在します。

 

法規範について

 

法規範

これまでは、法についてご紹介しました。

 

実は、社会生活上の意思の規律をするものは法だけではありません。
道徳、宗教、慣習、習慣も当てはまることになります。

 

これらは、「こうあるべきである」を定める行為規範であり、それぞれ道徳規範、宗教規範、習俗規範といいます。

 

例えば日常の挨拶は、「しなければならない」ものではなく、「すべきこと」とです。
挨拶をしなかったことによって罰せられることはありませんが、慣行として行っているため、した方がいいものとなります。

 

道徳規範との違い

ここで道徳規範とは何かといえば、人に親切にすることや家族は仲良くすることなどが道徳です。

 

では法規範と道徳規範はどう違うのかといえば、法であれば、外部に現れない心の働きは縛られません。
逆をいえば心の中では何を考えてもいいことになります。
つまり良心の自由がそこに存在します。

 

それに対して道徳は、内部の心の働きまでも縛られるものとなります。
もし道徳を法規範と同等に扱ってしまえば、良心の自由がなくなり、恐怖によって社会が成り立つことになってしまいます。

 

まとめると法規範とは、社会生活上必ず従わなければならないとする規範です。

 

道徳規範は、法規範に反して従うのが最善であるという規範です。

 

法律的意識について

法規範は、社会生活上必ず従わなければならないとする規範ですが、その意識について著しいものが3つあります。

 

1.服従心
 国家の権力に服従しなければならないという法の権力的要素です。

 

2.習慣性及び模倣性
 社会生活における種々の法則の大部分は習慣及び模倣によって生じ、法律上の法則もまた同じです。

 

3.正義心
 国家は正義の擁護者として、また公益の保護者として社会の正義を維持し、公益をまっとうするために法律を作ります。
そのため、正義に反し公益を害するような法律は本来あるべきではないということです。

 

以上の要素が合わさって法律的意識が成立し、それによって法が成立し維持されます。

 

法の種類

 

 法律意識の生じる原因として制定法、慣習法、理法の3種があります。

 

制定法

1つ目は、制定法です。

 

国家が一定の手続をもって法令を定めるものをいいます。
これは、現在国会で定められている法律や条例などを指します。

 

慣習法

2つ目は、慣習法です。

 

非制定法であり、長い間事実上慣習として行われてきたものが法としての力を有します。
慣習法の中には、政治的慣習、判例的慣習、商慣習などがあります。

 

政治的慣習は、日本の憲政において第1党の党首が内閣総理大臣であり、仮に失政した場合にはそこで解散総選挙を実施し、第2党が第1党になった場合にその党首が内閣総理大臣になるという「「憲政の常道」が政治的慣習といえます。

 

日本国憲法第65条として明文化されていますが、戦前は慣習法として定着していた時期がありました。

 

 判例的慣習は、裁判所の判決令が先例となったものです。

 

 商慣習は、居酒屋の「お通し」がいわば商慣習といえます。

 

理法

3つ目は、理法です。

 

これは人の道理において、「「こうあらねばならない」と意識している法則です。
現在では成文法もなく慣習法もない場合においての判決において、条理に基づいて裁く場合がありますが、これは正義心の要求するところに従っています。

 

この記事で学べること

 

いかがだったでしょうか。

 

法と法律の違いから始まり、法の意味や本質、法規範とその他の規範、法の種類についてご紹介しました。

 

この記事のおすすめ本

憲法撮要 復刻版 オンデマンド版(本/雑誌)(単行本・ムック)(美濃部 達吉)

法における常識(岩波文庫)(ポール・ガヴリロヴィチ・ヴィノグラドフ)

 
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