武家諸法度

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武家諸法度

口語訳

寛永十二乙亥年六月二十二日

 

一 文武弓馬の道、専ら相嗜むべき事

 

一 大名小名在江戸交替相定むる所なり。毎歳夏四月中、参勤致すべし。従者の員数近来甚だ多し、且国郡の費、且人民の労なり。向後その相応を以れこれを減少すべし。但し上洛の節者は、教令に任せ、公役者は分限に随うべき事

 

一 新規の城郭構営は堅くこれを禁止す。居城の隍塁石壁以下敗壊の時は、奉行所に達し、其の旨を受くべきなり。櫓塀門等の分は、先規のごとく修補すべき事

 

一 江戸ならびに何国においてたとえ何篇の事これ有るといえども、在国の輩はその処を守り、下知相待つべき事

 

一 何所において刑罰の行わるるといえども、役者の外出向すべからず。但し検使の左右に任せるべき事

 

一 新儀を企て徒党を結び誓約を成すの儀、制禁の事

 

一 諸国主ならびに領主等私の諍論致すべからず。平日須く謹慎を加うるべきなり。もし遅滞に及ぶべきの儀有らば、奉行所に達しその旨を受くべき事

 

一 国主城主一万石以上ならびに近習(きんじゅ)物頭(ものがしら)は、私に婚姻を結ぶべからざる事

 

一 音信贈答嫁娶り儀式、或は饗応或は家宅営作等、当時甚だ華麗の至り、自今以後簡略たるべし。その外万事倹約を用うるべき事

 

一 衣装の品混乱すべからず。白綾は公卿以上、白小袖は諸大夫以上これを聴す。紫袷紫裡練無紋の小袖は猥りにこれを着るべからず。諸家中に至り郎従諸卒の綾羅錦繍の飾服は古法に非ず、制禁せしむる事

 

一 乗輿者は、一門の歴々国主城主一万石以上ならびに国大名の息、城主および侍従以上の嫡子、或は五十歳以上、或は医陰の両道、病人これを免じ、その外濫吹を禁ず。但し免許の輩は各別なり。諸家中に至りては、その国に於てその人を撰びこれを載すべし。公家門跡諸出世の衆は制外の事

 

一 本主の障りこれ有る者相抱えるべからず。もし反逆殺害人の告げ有らばこれを返すべし。向背の族は或はこれを返し、或はこれを追い出すべき事

 

一 陪臣の質人を献ずる所の者、追放死刑に及ぶべき時は、奉行所の者達を受けるべき。もし当座に於て遁れ難き儀有るにおいてこれを斬戮するは、その子細言上すべき事

 

一 知行所務清廉にこれを沙汰し、非法致さず、国郡衰弊せしむべからざる事

 

一 道路駅馬舟梁等断絶無く、往還の停滞を致さしむべからざる事

 

一 私の関所新法の津留め制禁の事

 

一 五百石以上の船、停止の事

 

一 諸国散在寺社領、古より今に至り附け来る所は、向後取り放つべからざる事

 

一 耶蘇宗門(やそしゅうもん、キリスト教カトリック)の義、国々所々に於て弥堅く禁止すべきの事

 

一 不孝の輩これ有るに於ける者、罪科の処となる事

 

一 万事江戸の法度の如く、国々所々に於れこれを遵行すべき事

 

右条々当家先制の旨准、今度潤色、而してこれ訖堅、相守るべき者也
  寛永十二年六月二十一日

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