共産主義インターナショナル第一回大会のために

 

ソビエト社会主義共和国連邦国旗

千九百十九年一月

 

 親愛な同志諸君!
 以下に署名した諸党と諸組織は、新しい革命的インターナショナルの第一回大会を招集することが差し迫って必要だと考える。戦争と革命の間に、古い社会主義諸党や社会民主主義諸党、それとともにまた第二インターナショナルの完全な破産が、決定的に明らかになっただけではない。古い社会民主党の中間分子(いわゆる「中央派」)が積極的な革命的行動の能力を欠くことが、決定的に明らかになっただけでもない。今では、真に革命的なインターナショナルの輪郭が、すでにまったく明瞭に現われている。世界革命が巨歩をもって急速に進展しており、次々と新たな課題を提出していること、「国際連盟」の偽善的な旗印の陰で革命に対抗して結束した資本主義諸国家の連合のためにこの革命が絞殺される危険があること、社会裏切諸党が互いに話合いをつけ、互いに「大赦」を与えて、自国政府と自国ブルジョアジーがまたしても労働者階級を欺くのを助けようと試みていること、最後に、莫大な革命的経験が蓄えられており、革命の全経過が国際化していること―これらの事情に促されて、我々は、革命的プロレタリア諸政党の国際大会招集の問題の討議を日程にのぼせるため、イニシアチブをとることにした。

 

T 目的と戦術

 我々の考えでは、新しいインターナショナルの基礎には、ドイツの「スパルタクス同盟」の綱領とロシア共産党(ボリシェヴィキ)の綱領とに基づいて作成され以下に政綱として掲げられた諸命題の承認がおかれなければならない。

 

(一) 現在の時期は、資本主義世界体制全体の解体と崩壊の時期である。これは、解決不能の矛盾をはらんだ資本主義が滅ぼされない限り、ヨーロッパ文化一般の崩壊をも意味するであろう。

 

(二) 今日プロレタリアートの任務は、ただちに国家権力を奪取することである。そして国家権力を奪取するとは、ブルジョアジーの国家機構を破壊し、新しいプロレタリア的権力機構を組織することである。

 

(三) この新しい権力機構は、労働者階級の(若干の地方では、並びに農村の半プロレタリアート即ち貧農の)執権を現わすものでなければならない。つまり、搾取階級を系統的に抑圧するための用具、また彼らを収奪するための用具でなければならない。まったく形式的な平等を伴った、偽りのブルジョア民主主義―金融寡頭制の支配の偽善的な形態―ではなくて勤労大衆のための自由の実現を可能とするプロレタリア民主主義、議会主義ではなくて自己の選出機関を通じてのこれらの大衆の自治、資本主義的官僚制ではなくて大衆自身によって作り出され、これらの大衆を国の統治と社会主義建設とに現実に参加させる統治機関―これがプロレタリア国家の型でなければならない。ソヴィエトまたは類似の組織の権カ―これがその具体的な形態である。

 

(四) プロレタリアートの執権は、資本を直ちに収奪し、生産手段の私的所有を廃止するとともに、これを全人民的所有に転化するための槓杆(こうかん、てこ)でなければならない。大規模工業及びその組織中心である銀行の社会化(社会化という語を、私的所有を廃止して、プロレタリア国家の所有に移し、労働者階級の社会主義的管理の下に置くという意味に解して)、地主の土地の没収と資本主義的農業生産の社会化、卸売商業の専売化、都市や農場における大邸宅の社会化、労働者統制の実施と、プロレタリア執権の諸機関の手への経済的機能の集中―これが今日の最も重要な課題である。

 

(五) 社会主義革命の安全を保障し、これを国の内外の敵から防衛し、他国の戦うプロレタリアートの諸部隊を援助する等々のために、ブルジョアジーとその手先を完全に武装解除し、プロレタリアートの全員を武装させることが必要である。

 

(六) 今日の世界情勢は、革命的プロレタリアートの様々な部隊の間に最大限の接触を作り出し、社会主義革命が既に勝利を収めた国々相互間に完全なブロックを結成することを要求している。

 

(七) 基本的な闘争方法は、武器を手にしての、資本の国家権力との公然たる衝突までを含むプロレタリアートの大衆行動である。

 

U 社会主義諸党との関係

 

(八) 古い「インターナショナル」は、三つの基本的なグループに分裂した。すなわち一九一四−一九一八年の帝国主義戦争の全期間を通じて自国ブルジョアジーを支持し、労働者階級を国際革命の絞刑吏に変えた露骨な社会排外主義者、カウツキーを理論的指導者に頂き、絶えず動揺し、いかなる明確な方針をとる能力をも欠き、ときには直接の裏切りも憚らない分子の組織である「中央派」、そして最後に、革命的左翼、これである。

 

(九) 至る所で最も先鋭な瞬間に武器を手にプロレタリア革命と戦う社会排外主義者に対しては、仮借ない闘争の他には考えられない。「中央派」に対してはII最も革命的な分子をそれから離脱させる戦術、指導者を仮借なく批判し、暴露することである。一定の発展段階では、中央派と組織的に一線を画すことが、ぜひとも必要となる。

 

(一〇) 他方、これまで社会主義政党に属したことはないが、現在では大体においてソヴィエト権力の形態をとったプロレタリア執権の立場に立っている革命的労働運動の分子とは、ブロックを結ぶ必要がある。そういう分子は、まず第一に労働運動内のサンディカリスト分子である。

 

(一一) 最後に、左翼の革命的潮流に公然と賛同してはいないが、この方向への発展傾向を示しているプロレタリア・グループや組織を引き寄せる必要がある。

 

(一二) 具体的には、我々は、下記の党、グループ及び潮流の代表に対し、大会に参加するよう要請する(完全な権利をもって第三インターナショナルに参加するのは、全幅的に第三インターナショナルの基盤に立っている幾多の党である)。(1)スパルタクス同盟(ドイツ)、(2)共産党(ボリシェヴィキ)(ロシア)、(3)ドイツ系オーストリア共産党、(4)ハンガリー共産党、(5)ポーランド共産党、(6)フィンランド共産党、(7)エストニア共産党、(8)ラトヴィア共産党、(9)リトアニア共産党、(10)ベロルシア共産党、(11)ウクライナ共産党、(12)チェコ社会民主党の革命的分子、(13)ブルガリア社会民主党(テスニャキ)、(14)ルーマニア社会民主党、(15)セルビア社会民主党左派、(16)スウェーデン左派社会民主党、(17)ノルウェー社会民主党、(18)デンマークの「クラッセンカンペン」グループ、(19)オランダ共産党、(20)ベルギー労働党の革命的分子、(21)(22)フランスの社会主義運動及びサンディカリスト運動内で同志ロリオに基本的に同調しているグループや組織、(23)スイス社会民主党左派、(24)イタリア社会党、(25)スペイン社会党の左翼分子、(26)ポルトガル社会党の左翼分子、(27)イギリス社会党(とくに同志マクリーンに代表される潮流)、(28)社会主義労働党(イギリス)、(29)世界産業労働者連盟(IWW)(イギリス)、(39)イギリスの産業労働者連盟(IW)、(31)職場世話役運動の革命的分子(イギリス)、(32)アイルランド労働者組織の革命的分子、(33)社会主義労働党(アメリカ)、(34)アメリカ社会党の左翼分子(とくにデブスに代表される潮流と社会主義宣伝連盟によって代表される潮流)、(35)世界産業労働者連盟(アメリカ)、(36)世界産業労働者連盟(オーストラリア)、(37)労働者国際産業別組合(アメリカ)、(38)東京・横浜の社会主義者グループ(同志片山に代表されるもの)、(39)社会主義青年インターナショナル(同志ミュンツェンベルクに代表されるもの)。

 

V 組織問題と党の名称

 

(一三) 第三インターナショナルの基礎は、共同の政綱に立脚し、―概ね―同じ戦術的方法を用いる同志達のグループや組織が既にヨーロッパの各地に成立したことによって、据えられた。その真っ先に来るのは、ドイツのスパルタクス派と他のいくつかの国の共産党である。

 

(一四) 大会は、運動の不断の連絡と計画的な指導とを目的として、共同の戦闘的機関、即ち共産主義インターナショナルの中央部を設立しなければならない。それは、各国の運動の利益を国際的規模の革命の共通の利益に従属させる。組織や代表選出等々の具体的形態は、大会によって作成されるであろう。

 

(一五) 大会は、共産主義インターナショナル第一回大会と名乗らなければならない。その場合、個々の党は、インターナショナルの支部となるであろう。理論的には、「社会民主党」という名称は不正確だと、すでにマルクスとエンゲルスが考えていた。社会民主主義「インターナショナル」の恥ずべき崩壊は、この点でも一線を画すことを必要としている。最後に、既にこの偉大な運動の基本的中核が、この名称を採用した幾多の党によって形成されている。以上の理由によって、我々は、すべての兄弟党や兄弟組織に対し、国際共産主義者大会の招集の問題の討議を日程にのぼせるよう提案する。

 

 同志の挨拶をもって。

 

(1) ロシア共産党中央委員会――レーニン、トロツキー
(2) ポーランド共産主義労働党在外ビューロー――カルスキ
(3) ハンガリー共産党在外ビューロー――ルドニャーンスキ
(4) ドイツ系オーストリア共産党在外ビューロー――ドゥーダ
(5) ラトヴィア共産党ロシアビューロー――ロジン
(6) フィンランド共産党中央委員会――シロラ
(7) バルカン革命的社会民主主義連合中央委員会――ラコフスキ
(8) アメリカ社会主義労働党――ラインスタイン


 
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