内閣法制局が作り上げた「国会」に関する政府解釈

 

内閣法制局

内閣法制局が作り上げた日本国憲法における「国会」条項に関する政府解釈をご紹介します。

 

 

 

 

国権の最高機関に関する政府解釈

内容としては、憲法第41条に最高機関と明記されてはいますが、ほかに優越する法的な意味を持つものではないと答弁しています。

 

また国政調査権については、法令の範囲内に限り応えるべきものとの見解です。

 

第126回国会常会参議院予算委員会2号16頁
平成5(1993)年3月9日 大出 峻郎 内閣法制局長官
 お答えを申し上げます。
 憲法第四十一条の「国会は、国権の最高機関」、こういうことについての意義を御説明申し上げたいと思います。
 憲法第四十一条における国会は国権の最高機関である旨の規定は、国会が主権者たる国民によって直接選挙された議員から成る国民の代表機関であるところから、国家機関の中で主権者に最も近く最も高い地位にあると考えるにふさわしいものであるとの趣旨を表明したものと解されるわけであります。他方、憲法は、国家の基本体制といたしましていわゆる三権分立の制度を採用いたしておるわけであります。
 したがいまして、この四十一条の規定は、行政権及び司法権との関係において国会の意思が常に他に優越するというそういう法的な意味を持つものではないと解されるわけであります。例えば国会の一院である衆議院が内閣の助言と承認による天皇の国事行為として解散されるということが制度的にあり得るわけであります。また、国会の制定した法律が最高裁判所による違憲審査の対象となるということがこれもまた憲法上明文で規定されているところでございます。
 なお、国政調査権との関連についての原則的な考え方を申し上げますれば、憲法及び国会法の規定に基づいて認められたものでありますから、内閣といたしましても法令の範囲内で可能な限りこれにこたえるべきものであるというふうに考えておるわけであります。
 以上でございます。

 

内容としては、予算は、憲法上内閣にのみ提案権があり、国会はこれを審議し議決する権限を有しています。

 

そのため、国会の予算修正について、内閣の予算提案権を侵害しない範囲内において可能と考えられています。

 

第80回国会常会衆議院予算委員会3号12頁
昭和52(1977)年2月8日 真田 秀夫 内閣法制局長官
 国会の予算修正に関しまする政府の見解を申し述べます。
 一、予算については、憲法上内閣にのみ提案権が与えられており、一方、国会はこれを審議し、議決する権限を有する。
 二、国会の予算修正については、増額修正を含めて可能と考えるが、それがどの範囲で行い得るかは、内閣の予算提案権と国会の審議権との調整の問題であって、前記のような憲法の規定から見て、国会の予算修正は、内閣の予算提案権を侵害しない範囲内において可能と考えられる。
 三、御指摘の「項」の新設の問題については、「項」が予算の議決科目の単位であり、政府の施策がこれによって表現されるものであることを考えると、一般的に言って、内閣の予算提案権との関係からむずかしかろうと考える。
 また、仮に、「項」の新設でなくても、既存の「項」の内容が全く変わってしまうような修正であれば、同様の趣旨から問題がある。
 しかし、具体的にどのような修正が予算提案権を侵害することになるかは、個々のケースに即して判断すべき問題であると考える。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

国会における政府解釈でした。

 

国権の最高機関については、いわゆる政治的美称説で、学者の中でもそれが主流になっています。

 

 

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