憲法義解〜第三十四条

第三十四条 貴族院は貴族院令の定むる所に依り皇族華族及勅任せられたる議員を以て組織す
(貴族院は、貴族院令の定める所により、皇族、華族及び勅任された議員をもって組織する)

 

 

 

 

口語訳

貴族院議員はその或は世襲たり或選挙又は勅任たるに拘らず、均く上流の社会を代表する者たり。
貴族院にしてその職を得るときは、政権の平衡を保ち、政党の偏張を制し、横議の傾勢を支え、憲法の強固を扶(たす、助)け、上下調和の機関となり、国福民慶を永久に維持するにおいてその効果を収むること多きに居らむとす。
けだし貴族院はもって貴胄(きちゅう、貴族の子孫)をして立法の議に参預せしむるのみに非ず、又もって国の勤労・学識及富豪の士を集めて国民慎重練熟耐久の気風を代表せしめ、抱合親和して倶(とも)に上流の一団を成し、その効用を全くせしむる所以なり。
その構成制規は貴族院令に具わるをもって憲法にこれを列挙せざるなり。

 

 

現代語訳

貴族院議員は、世襲、選挙または勅任であるにかかわらず、等しく上流の社会を代表する者である。
貴族院がその職分を十分に果たしたときは、政権の平衡を保ち、政党の偏った主張を制し、横暴な議論に偏るところを抑え、憲法が強固であるように助け、上下調和の機関となり、国民の幸福や民衆の慶福を永久に維持するために、多大な効果を収めることとする。
思うに、貴族院は名門貴族を立法の審議に参与させるだけではなく、また、国の勲労、学識及び富豪の士を集めて、国民の慎重で練熟した粘り強い気風を代表させ、これらが合わさって上流の一団となり、その効用を十分に発揮させるという所以である。
その構成に関する規則は、貴族院令に備わっているので、憲法には列挙しないものである。

 
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昭和12年学会
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