憲法義解〜第六十九条

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憲法義解〜第六十九条

第六十九条 避くへからさる予算の不足を補ふ為に又は予算の外に生したる必要の費用に充つる為に予備費を設くへし
(避くことの出来ない予算の不足を補うために、または予算外に生じた必要な費用に充てるために、予備費を設けなければならない)

 

 

 

 

口語訳

本条は予備費の設を以て予算の不足及び予算の外の必要なる費用を補給することを定める。
蓋し、第六十四条は予算超過及び予算外支出に付き議会の事後承諾を求めるべきことを掲げたり。
而して、其の超過及び額外支出は何等の財源に資りて以て此れを供給する乎を支持せず。
此れ本条に予備費の設を定めるを必要とする所以なり。

 

(附記〉各国予備費の設を参考するに荷蘭〈オランダ)に於いては各省に予備費五万フロリンを置き、又政府一般の為に五万フロリンを置き以て議決科目の不足を補給するに備える。
伊国千八百六十九年の会計法は予算の中に予備費を設けることを掲げ、予算定額の避けるべからざる不足に応じる為に二項の定額を許可する。
其の一は義務と及び命令に依り生ずる経費を支弁すべき予備費とし(四百万フランク)其の二は別に一項を為すべき予知すべからざる経費の為の予備費とする(四百万フランク)。
其の第一予備の使用は会計検査院の登記を経て大蔵長官之を施行し、第二予備の使用は大蔵長官の発議に由り、内閣会議を経て勅令を以て之を定める。
普国は各省に予備費を置き、更に大蔵省に非常予備費を置く。
此れ皆予算の不足と予算の外の必要を補充する為に予め設ける者なり。
瑞典は予見せざる場合に備える為に国債局の収入より二種の予備金を設け、其の第一種は国家の防御又は重要緊急なる事件に備え第二種は戦時の用に備える。
此れ亦別に一法たり。

 

 

現代語訳

本条は予備費の設定によって予算の不足や予算外で必要な費用を補給することを定める。
思うに、第六十四条は予算超過及び予算外支出について、議会の事後承諾を求めるべきことを掲げている。
そして、その超過及び額外支出は、どの財源によって供給するかを指示していない。
これは、本条に予備費の設置を定める必要とする理由である。

 

(附記)各国の予備費の設置を参考するに、オランダにおいては各省に予備費五万フローリンを用意し、また政府一般のために五万フローリンを用意し、これによって議決した費目の不足を補給するために備えている。
イタリアの千八百六十九年の会計法は、予算の中に予備費を設けることを掲げ、予算額の避けることが出来ない不足に対応するために、二つの定額を許可している。
一つ目は、義務と命令により生ずる経費を支弁するための予備費とし(四百万フランク)、二つ目は、別に一項目をなすべき、予知出来ない経費のための予備費とする(四百万フランク)。
第一の予備費の使用は会計検査院の登記を経て大蔵長官が施行し、第二の予備費の使用は大蔵長官の発議により、閣議を経て勅令で、これを定める。
ドイツは、各省に予備費を置き、さらに大蔵省に非常予備費を置く。
これはすべて予算の不足と予算外の必要を補充するために、予め設けるものである。
スウェーデンは、予見出来ない場合に備えるために、国債局の収入から二種の予備金を設け、第一種は国家の防御や重要緊急な事件に備え、第二種は戦時の用に備える。
これらもまた、別に法律がある。

 
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