憲法義解〜第七十一条

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憲法義解〜第七十一条

 

 

口語訳

議会自ら議定の結局を為さずして閉会に至るときは之を「予算を議定せす」とする。
両議院の一に於いて予算を廃棄したるときは之を「予算成立に至らす」とする。
其の他、議会未だ予算を議決せずして停会又は解散を命ぜられたるときは、其の再び開会するの日に至るまで亦「予算成立せさる」の場合とする。

 

議会に於いて予算を議定せず、又は予算成立に至らざるときは其の結果は、大にしては国家の存立を廃絶し、小にしては行政の機関を麻痺せしめるに至る。
千八百七十七年、北米合衆国に於いて国会陸軍の予算を議定することを遷延したるが為に三箇月の間兵士の給養を欠くことを致せり。
同年、墺欺特刺利(オーストリア)に於いて「メルボルン」の議院は予算の全部を廃棄したり。
是れ民主主義の上に結架せる邦国の情態にして我が国体の固より取るべき所に非ざるなり。
及び或る国に於いて此の場合を以て一に勢力の判決する所と為し、議会に拘らずして政府の専意に任し、財務を施行せるが如きも(普国千八百六十二年より六十六年に至る)亦、非常の変礼にして立憲の当然に非ざるなり。
我が憲法は国体に基づき理勢に酌み、此の変状に当たり前年の予算を施行するを以て終局の処分とすることを定めたり。

 
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