伊藤博文が書いた憲法の解釈書、憲法義解を読んでみよう

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伊藤博文が書いた憲法の解釈書、憲法義解を読んでみよう

伊藤博文を中心に大日本帝国憲法が策定され、枢密院での審議を経たのち、明治22(1889)年2月11日に明治天皇より、公布されることになりました。

 

その帝国憲法が策定された際に、帝国憲法の条文の根拠、解釈書として憲法義解(けんぽうぎげ)が作られています。

 

また伊藤博文が帝国憲法を作る際に、日本の歴史、伝統、文化を踏まえてその中の大切なものを成文化したものです。

 

その解釈には、それらの要素が多く入っていることから憲法そして憲法典を知る上では読んでおいた方が良い本となります。

 

ここでは、憲法義解の全文を口語訳と現代語訳にしてまとめました。

 

 

 

 

憲法義解

 

 

大日本帝国憲法義解

 

 

第一章 天皇

第一条 大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す
第二条 皇位は皇室典範の定むる所に依り皇男子孫之を継承す
第三条 天皇は神聖にして侵すへからす
第四条 天皇は国の元首にして統治権を総攬し此の憲法の条規に依り之を行ふ
第五条 天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ
第六条 天皇は法律を裁可し其の公布及執行を命す
第七条 天皇は帝国議会を召集し其の開会閉会停会及衆議院の解散を命す
第八条 天皇は公共の安全を保持し又は其の災厄を避くる為緊急の必要に由り帝国議会閉会の場合に於て法律に代るへき勅令を発す
 此の勅令は次の会期に於て帝国議会に提出すへし若議会に於て承諾せさるときは政府は将来に向て其の効力を失ふことを公布すへし

第九条 天皇は法律を執行する為に又は公共の安寧秩序を保持し及臣民の幸福を増進する為に必要なる命令を発し又は発せしむ但し命令を以て法律を変更することを得す
第十条 天皇は行政各部の官制及文武官の俸給を定め及文武官を任免す但し此の憲法又は他の法律に特例を掲けたるものは各々其の条項に依る
第十一条 天皇は陸海軍を統帥す
第十二条 天皇は陸海軍の編制及常備兵額を定む
第十三条 天皇は戦を宣し和を講し及諸般の条約を締結す
第十四条 天皇は戒厳を宣告す
 戒厳の要件及効力は法律を以て之を定む

第十五条 天皇は爵位勲章及其の他の栄典を授与す
第十六条 天皇は大赦特赦減刑及復権を命す
第十七条 摂政を置くは皇室典範の定むる所に依る
 摂政は天皇の名に於て大権を行ふ

 

 

第二章 臣民権利義務

第十八条 日本臣民たるの要件は法律の定むる所に依る
第十九条 日本臣民は法律命令の定むる所の資格に応し均く文武官に任せられ及其の他の公務に就くことを得
第二十条 日本臣民は法律の定むる所に従ひ兵役の義務を有す
第二十一条 日本臣民は法律の定むる所に従ひ納税の義務を有す
第二十二条 日本臣民は法律の範囲内に於て居住及移転の自由を有す
第二十三条 日本臣民は法律に依るに非すして逮捕監禁審問処罰を受くることなし
第二十四条 日本臣民は法律に定めたる裁判官の裁判を受くるの権を奪はるることなし
第二十五条 日本臣民は法律に定めたる場合を除く外其の許諾なくして住所に侵入せられ及捜索せらるることなし
第二十六条 日本臣民は法律に定めたる場合を除く外信書の秘密を侵さるることなし
第二十七条 日本臣民は其の所有権を侵さるることなし
 公益の為必要なる処分は法律の定むる所に依る

第二十八条 日本臣民は安寧秩序を妨けす及臣民たるの義務に背かさる限に於て信教の自由を有す
第二十九条 日本臣民は法律の範囲内に於て言論著作印行集会及結社の自由を有す
第三十条 日本臣民は相当の敬礼を守り別に定むる所の規程に従ひ請願を為すことを得
第三十一条 本章に掲けたる条規は戦時又は国家事変の場合に於て天皇大権の施行を妨くることなし
第三十二条 本章に掲けたる条規は陸海軍の法令又は紀律に牴触せさるものに限り軍人に準行す

 

 

第三章 帝国議会

第三十三条 帝国議会は貴族院衆議院の両院を以て成立す
第三十四条 貴族院は貴族院令の定むる所に依り皇族華族及勅任せられたる議員を以て組織す
第三十五条 衆議院は選挙法の定むる所に依り公選せられたる議員を以て組織す
第三十六条 何人も同時に両議院の議員たることを得す
第三十七条 凡て法律は帝国議会の協賛を経るを要す
第三十八条 両議院は政府の提出する法律案を議決し及各々法律案を提出することを得
第三十九条 両議院の一に於て否決したる法律案は同会期中に於て再ひ提出することを得す
第四十条 両議院は法律又は其の他の事件に付各々其の意見を政府に建議することを得但し其の採納を得さるものは同会期中に於て再ひ建議することを得す
第四十一条 帝国議会は毎年之を召集す
第四十二条 帝国議会は三箇月を以て会期とす必要有る場合に於いては勅命を以て延長することあるへし
第四十三条 臨時緊急の必要有る場合において常会の外臨時会を召集すへし
 臨時会の会期を定むるは勅命に依る

第四十四条 帝国議会の開会閉会会期の延長及停会は両院同時に之を行うへし
 衆議院解散を命せられたるときは貴族院は同時に停会せらるへし

第四十五条 衆議院解散を命せられたるときは勅命を以て新に議員を選挙せしめ解散の日より五箇月以内に之を招集すへし
第四十六条 両議院は各々其の総議員三分の一以上出席するに非されは議事を開き議決を為すことを得す
第四十七条 両議院の議事は過半数を以て決す可否同数なるときは議長の決する所に依る
第四十八条 両議院の会議は公開す但し政府の要求又は其の院の決議に依り秘密会と為すことを得
第四十九条 両議院は各々天皇に上奏することを得
第五十条 両議院は臣民より呈出する請願書を受くることを得
第五十一条 両議院は此の憲法及議院法に掲くるものの外内部の整理に必要なる諸規則を定むることを得
第五十二条 両議院の議員は議院に於いて発言したる意見及び表決に付き院外に於いて責を負うことなし但し議員自ら其の言論を演説刊行筆記又は其の他の方法を以て公布したるときは一般の法律に依り処分せらるべし
第五十三条 両議院の議員は現行犯罪又は内乱外患に関する罪を除く外会期中其の院の許諾なくして逮捕せらるることなし
第五十四条 国務大臣及び政府委員は何時たりとも各議院に出席し及び発言することを得

 

 

第四章 国務大臣及び枢密顧問

第五十五条 国務各大臣は天皇を輔弼し其の責に任す
凡て法律勅令其の他国務に関る詔勅は国務大臣の副署を要す

第五十六条 枢密顧問は枢密院官制の定むる所に依り天皇の諮詢に応へ重要の国務を審議す
第五十七条 司法権は天皇の名に於て法律に依り裁判所之を行ふ
裁判所の構成は法律を以て之を定む

 

 

第五章 司法

第五十八条 裁判官は法律に依り定めたる資格を具ふる者を以て之に任す
 裁判官は刑法の宣告又は懲戒の処分に由るの外其の職を免せらるることなし
 懲戒の条規は法律を以て之を定む

第五十九条 裁判の対審判決は之を公開す但し安寧秩序又は風俗を害するの虞あるときは法律に依り又は裁判所の決議を以て対審の公開を停むることを得
第六十条 特別裁判所の管轄に属すへきものは別に法律を以て定む
第六十一条 行政官庁の違法処分に由り権利を傷害せらたりとするの訴訟にして別に法律を以て定めたる行政裁判所の裁判に属すへきものは司法裁判所に於て受理する限りに在らす

 

 

第六章 会計

第六十二条 新に租税を課し及税率を変更するは法律を以て之を定むへし
但し報償に属する行政上の手数料及其の他の収納金は前項の限に在らす
国債を起し及予算に定めたるものを除く外国庫の負担となるへき契約を為すは帝国議会の協賛を経へし
第六十三条 現行の租税は更に法律を以て之を改めさる限は旧に依り之を徴収す
第六十四条 国家の歳出歳入は毎年予算を以て帝国議会の協賛を経へし
 予算の款項に超過し又は予算の外に生したる支出あるときは後日帝国議会の承諾を求むるを要す
第六十五条 予算は前に衆議院に提出すへし
第六十六条 皇室経費は現在の定額に依り毎年国庫より之を支出し将来増額を要する場合を除く外帝国議会の協賛を要せす
第六十七条 憲法上の大権に基つける既定の歳出及法律の結果に由り又は法律上政府の義務に属する歳出は政府の同意なくして帝国議会之を廃除し又は削減することを得す
第六十八条 特別の須要に因り政府は予め年限を定め継続費として帝国議会の協賛を求むることを得
第六十九条 避くへからさる予算の不足を補ふ為に又は予算の外に生したる必要の費用に充つる為に予備費を設くへし
第七十条
第七十一条
第七十二条

 

 

第七章 補則

第七十三条
第七十四条
第七十五条
第七十六条


 

伊藤博文が書いた憲法の解釈書、憲法義解を読んでみよう記事一覧

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憲法義解〜憲法義解

口語訳密(ひそか)に思うに、皇室典範は歴聖の遺訓(歴代天皇が遺した教訓)を祖述(受け継ぎ)し、後昆(こうこん、後の世の人)の常軌を垂貽(すいい、推しおくるもの)し、帝国憲法は国家の大経を綱挙し、君民の分義を明確す。意義精確、炳(明らか)としての日星の如く、文理深奥、辞の賛すべきなし。これ皆宏謀遠献、一に聖裁によるものなり。博文密かに僚属を供に研磨考究するの途、録して筆記と為し、稿を易(判り易く)へ...

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憲法義解〜大日本帝国憲法義解

口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、我が国君民の分義は既に肇造の時に定まる。中世屡々(しばしば)変乱を経、政綱其の統一を弛(ゆる)べしに、大命維新皇運隆興し、聖詔を渙発(かんぱつ、公布)して立憲の洪献(こういう)を宣べたまい、上元首の大権を統べ、下股肱(ここう)の力を展べ、大臣の輔弼と議会の翼賛とにより、機関各々その所を得て、而して臣民の権利及義務を明にし、益々その幸福を進むることを期せむとす。これ皆...

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憲法義解〜第一章

口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、天皇の宝祚(ほうそ)は之を祖宗に承け、之を子孫に伝ふ。国家統治権の存する所なり。而して憲法に殊(とく)に大権を掲げて之を条章に明記するは、憲法に依て新設の義を表するに非ずして、固有の国体は憲法に由って益々強固なることを示すなり。現代語訳恭んで考えるには、天皇の位は歴代天皇より承継し、これを子孫へと伝えていくものである。国家統治権が存在するところである。そうして、憲法...

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憲法義解〜第一条

第一条 大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す(大日本帝国は、万世一系の天皇が統治する)口語訳恭て按ずるに、神祖開国以来、時に盛衰ありといえども、世に治乱ありといえども、皇統一系宝祚の隆は天地と興に窮なし。本条初めに立国の大義を掲げ、我が日本帝国は一系の皇統と相よって終始し、古今永遠にわたり、一ありて二なく、常ありて変なきことを示し、もって君民の関係を万世にあきらかにす。統治は大位におり、大権を統べ...

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憲法義解〜第二条

第二条 皇位は皇室典範の定むる所に依り皇男子孫之を継承す(皇位は皇室典範の定めに従い、皇統の男系男子が継承する)口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、皇位の継承は祖宗以来既に明訓あり。もって皇子孫に伝え、万世易(やす)ふることなし。もしそれ継承の順序に至っては、新に勅定するところの皇位継承においてこれを鮮明にし、もって皇室の家法とし、さらに憲法の条章にこれを掲ぐることを用いざるは、将来に臣民の干渉を容れ...

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憲法義解〜第三条

第三条 天皇は神聖にして侵すへからす(天皇は神聖であり侵してはならない)口語訳恭て按ずるに、天地剖叛(ほんはん、分かれて)して神聖位を正す(神代紀)。けだし天皇は天縦惟神(てんしょうういしん)至聖にして臣民群類の表にあり、欽仰(きんぎょう)すべくして干犯すべからず。故に君主は固(もと)より法律を敬重せざるべからず。而して法律は君主を責問するの力を有せず。独り不敬をもってその身体を干涜(かんどく)す...

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憲法義解〜第四条

第四条 天皇は国の元首にして統治権を総攬し此の憲法の条規に依り之を行ふ(天皇は国の元首であり、統治権をすべて掌握し、この憲法の条文により統治を行う)口語訳恭て按ずるに、統治の大権は天皇これを祖宗に承け、これを子孫に伝う。立法・行政百揆のこと、およそもって国家に臨御し、臣民を綏撫(すいぶ、慰めいたわる)するところの者、一に皆これを至尊に総べてその綱領を攬(と)らざることなきは、譬(たと)へば、人身の...

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憲法義解〜第五条

第五条 天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ(天皇は帝国議会の協賛により立法権を行使する)口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、立法は天皇の大権に属し、而してこれを行うは必ず議会の協賛による。天皇は内閣をして起草せしめ、或(あるい)は議会の提案により、両院の同意を経るの後これを裁可して始めて法律を成す。故に至尊は独り行政の中枢たるのみならず、また立法の淵源たり。(附記)これを欧州に参考するに、百年以来...

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憲法義解〜第六条

第六条 天皇は法律を裁可し其の公布及執行を命す(天皇は法律を裁可して、その公布と執行を命じる)口語訳恭て按ずるに、法律を裁可し、式により公布せしめ、及執行の処分を宣命す。裁可はもって立法のことを完結し、公布はもって臣民遵行の効力を生ず。これ皆至尊の大権なり。裁可の権既に至尊に属するときは、その裁可せざるの権はこれに従ふこと言はずして知るべきなり。裁可は天皇の立法における大権の発動する所なり。故に議...

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憲法義解〜第七条

第七条 天皇は帝国議会を召集し其の開会閉会停会及衆議院の解散を命す(天皇は帝国議会を召集し、その開会、閉会、停会及び衆議院の解散を命じる)口語訳恭て按ずるに、議会を召集するは専ら至尊の大権に属す。召集によらずして議院自ら集会するは憲法の認むるところに非ず。而してその議する所のこと総(すべ)て効力なき者とす。召集の後、議会を開閉し、両院の始終を制するは亦(また)均く至尊の大権による。開会の初天皇親ら...

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憲法義解〜第八条

第八条 天皇は公共の安全を保持し又は其の災厄を避くる為緊急の必要に由り帝国議会閉会の場合に於て法律に代るへき勅令を発す 此の勅令は次の会期に於て帝国議会に提出すへし若議会に於て承諾せさるときは政府は将来に向て其の効力を失ふことを公布すへし(天皇は、公共の安全を保持し、または災厄を避けるため緊急の必要によって、帝国議会が閉会中の場合に法律に代わる勅令を発する この勅令は、次の会期に帝国議会に提出しな...

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憲法義解〜第九条

第九条 天皇は法律を執行する為に又は公共の安寧秩序を保持し及臣民の幸福を増進する為に必要なる命令を発し又は発せしむ但し命令を以て法律を変更することを得す(天皇は、法律を執行するため、または公共の安全や秩序を保持し、臣民の幸福を増進するために、必要な命令を発し、出させることができる。ただし、命令によって法律を変更することはできない)口語訳恭て按ずるに、本条は行政命令の大権を掲ぐるなり。けだし法律は必...

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憲法義解〜第十条

第十条 天皇は行政各部の官制及文武官の俸給を定め及文武官を任免す但し此の憲法又は他の法律に特例を掲けたるものは各々其の条項に依る(天皇は、行政の各組織の制度や文武官の給与を定め、文武官を任免する。ただし、この憲法、または他の法律で特例を既定した場合は、その条項に従う)口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、至尊は建国の必要により、行政各部の官局を設置し、その適当なる組織及職権を定め、文武の材能(さいのう)...

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憲法義解〜第十一条

第十一条 天皇は陸海軍を統帥す(天皇は、陸海軍の最高指揮権をもつ)口語訳恭て按ずるに、太祖実に神武をもって帝国を肇造(ていぞう)し、物部(もののべ)・靱負部(ゆきえべ)・来目部(くるめべ)を統率し、嗣後(しご、その後)歴代の天子‐内外事あれば自ら元戎(けんじゅう、連弩のようなもの)を帥(ひき)い、征討の労を親らし、或は皇子・皇孫をして代り行かしめ、而して臣連(おみむらじ)二造はその褊裨(へんぴ、高...

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憲法義解〜第十二条

第十二条 天皇は陸海軍の編制及常備兵額を定む(天皇は、陸海軍の編成及び予算を定める)口語訳恭て按ずるに、本条は陸海軍の編制及常備兵額もまた天皇の親裁する所なることを示す。これ固より責任大臣の輔翼によるといえども、また帷幄の軍令と均く、至尊の大権に属すべくして、而して議会の干渉を須(ま)たざるべきなり。いわゆる編制の大権は、これを細言すれば、軍隊艦隊の編制及管区方面より兵器の備用、給与、軍人の教育、...

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憲法義解〜第十三条

第十三条 天皇は戦を宣し和を講し及諸般の条約を締結す(天皇は、宣戦を布告し、講和を結び、その他の条約を締結する)口語訳恭て按ずるに、外国と交戦を宣告し、和親を講盟し、及条約を締結するのことは総て至尊の大権に属し、議会の参賛を仮(いつわ)らず。これ一は君主は外国に対し国家を代表する主権の統一を欲し、ニは和戦及条約のことは専ら時機に応じ籌謀(ちゅうぼう)迅速なるを尚(たっと)ぶによるなり。諸般の条約と...

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憲法義解〜第十四条

第十四条 天皇は戒厳を宣告す 戒厳の要件及効力は法律を以て之を定む(天皇は戒厳を宣告する 戒厳の要件及び効力は法律によって定める)口語訳恭(つつしみ)て按ずるに、戒厳は外敵内変の時機に臨み、常法を停止し、司法及び行政の一部を挙げてこれを軍法に委ぬる者なり。本条は戒厳の要件及効力をもって法律の定むる所とし、その法律の条項に準拠して時に臨てこれを宣告しまたはその宣告を解くはこれを至尊の大権に帰したり。...

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憲法義解〜第十五条

第十五条 天皇は爵位勲章及其の他の栄典を授与す(天皇は、爵位、勲章及びその他の栄典を授与する)口語訳恭て按ずるに、至尊は栄誉の源泉なり。けだし功を賞し労を酬い、及卓行善挙を表彰し、顕栄の品位・記章及殊典を授興するは専ら至尊の大権に属す。而して臣子の窃弄(せつろう)を容さざる所なり。我が国太古簡朴の世、加‐婆‐禰(かばね)を以て貴賤の別を為す。推古天皇始めて冠位十二階を定め、諸臣に頒ち賜ふ。天武天皇...

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憲法義解〜第十六条

第十六条 天皇は大赦特赦減刑及復権を命す(天皇は、大赦、特赦、減刑及び復権を命令する)口語訳恭て按ずるに、国家既に法廷を設け、法司を置き、正理公道をもって平等に臣民の権利を保護せしむ。而して猶法律の未だ各般の人事を曲悉(きょくしつ)するに足らずして時ありて犯人事情仍(なお)憫諒(びんりょう、憐れみ)すべき者あり、立法及司法の軌轍(きてつ)遂にもってその闕漏(けつろう、欠け落ちる)に周匝(しゅうそう...

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憲法義解〜第十七条

第十七条 摂政を置くは皇室典範の定むる所に依る 摂政は天皇の名に於て大権を行ふ(摂政を置くのは、皇室典範の定めるところによる 摂政は、天皇の名において大権を行使する)口語訳恭て按ずるに、摂政は天皇のことを摂行す。故におよそ至尊の名分を除く外、一切の大政総て天皇の名に於てこれを行ひ、また大政に付きその責に任ぜざること一に天皇に同じ。ただし、第七十五条の場合に於て制限する所あるのみ。天皇の名に於てと謂...

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憲法義解〜第二章

口語訳第二章は第一章に次ぎ臣民の権利及義務を掲ぐ。けだし祖宗の政は専ら臣民を愛重して名くるに大賓(オオミタカラ)の称をもってしたり。非常赦の時検非違使佐(けびいしのすけ)、囚徒に仰するの詞に、「為公御財(おおみたからとなして)御調物(みつきもの)備進」といえり(江家次第)。歴世の天子即位の日は皇親以下天下の人民を集め大詔を宣(のり)たまうの詞に「集侍(うこなわれる)皇子等(みこたち)、王(おおきみ...

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憲法義解〜第十八条

第十八条 日本臣民たるの要件は法律の定むる所に依る(日本臣民たる要件は、法律の定めるところによる)口語訳日本臣民とは外国臣民とこれを区別するのいうなり。日本臣民たる者は各々法律上の公権及私権を享有すべし。これ臣民たるの要件は法律をもってこれを定むるを必要とする所以(ゆえん)なり。日本臣民たるに二つの類あり。第一は出生に因る者。第二は帰化又はその他法律の効力に依る者。国民の身分は別法の定むるところに...

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憲法義解〜第十九条

第十九条 日本臣民は法律命令の定むる所の資格に応し均く文武官に任せられ及其の他の公務に就くことを得(日本臣民は、法律命令の定める資格に応じて、均しく文武官に任命及びその他の公務に就くことが出来る)口語訳文武官に登任し及その他の公務に就くは門閥に拘らず。これを維新改革の美果の一とす。往昔門地をもって品流(ひんりゅう)を差別せし時に当ては、官をもって家に属し、族によって職を襲(つ)ぎ、賤類に出る者は才...

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憲法義解〜第二十条

第二十条 日本臣民は法律の定むる所に従ひ兵役の義務を有す(日本臣民は、法律の定めに従って、兵役に就く義務がある)口語訳日本臣民は日本帝国成立の分子にして、倶(とも)に国の生存独立及光栄を護る者なり。上古以来我が臣民は事あるに当てその身家の私を犠牲にし本国を防護するをもって丈夫の事とし、忠義の精神は栄誉の感情と倶に人々祖先以来の遺伝に根因し、心肝に浸漸(しんぜん、しだいにしみ込むこと)してもって一般...

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憲法義解〜第二十一条

第二十一条 日本臣民は法律の定むる所に従ひ納税の義務を有す(日本臣民は、法律の定める所により、納税の義務がある)口語訳納税は一国共同生存の必要に供応する者にして、兵役と均く、臣民の国家に対する義務の一たり。租税は古言に『ちから』という。民力を輸(いた)すの義なり。税を課するを『おふす』という。各人に負はしむるの義なり。祖宗既に統治の義をもって国に臨みたまい、国庫の費はこれを全国の正供に取る。租税の...

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憲法義解〜第二十二条

第二十二条 日本臣民は法律の範囲内に於て居住及移転の自由を有す(日本臣民は、法律の範囲内において居住及び移転の自由がある)口語訳本条は居住及移転の自由を保明す。封建の時、藩国境を画(かぎ)り、各々関柵を設け、人民互にその本籍の外に居住することを許さず。並に許可なくして旅行及移転することを得ず。その自然の運動及営業を束縛して植物とその類を同くせしめたりしに、維新の後廃藩の挙と倶(とも)に居住及移転の...

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憲法義解〜第二十三条

第二十三条 日本臣民は法律に依るに非すして逮捕監禁審問処罰を受くることなし(日本臣民は、法律によることなく、逮捕、監禁、審問及び処罰を受けることはない)口語訳本条は人身の自由を保明す。逮捕・監禁・審問は法律に載するところの場合に限り、その載するところの規定に従いこれを行うことを得べく、而して又法律の正条によるに非ずして何等の所為に対しても処罰することを得ず。必ずこれの如くにして然る後に人身の自由、...

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憲法義解〜第二十四条

第二十四条 日本臣民は法律に定めたる裁判官の裁判を受くるの権を奪はるることなし(日本臣民は、法律に定められた裁判官の裁判を受ける権利を奪われることはない)口語訳本条また各人の権利を保護する為の要件たり。法律により構成設置するところの裁判官は威権の牽制を受けずして両造の間に衡平を持し、臣民はその孤弱貧賎に拘らず、勢家権門(せいかけんもん、権勢のある門閥や家柄)と曲直を訟廷に争い、検断の官吏に対し情状...

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憲法義解〜第二十五条

第二十五条 日本臣民は法律に定めたる場合を除く外其の許諾なくして住所に侵入せられ及捜索せらるることなし(日本臣民は、法律に定められた場合を除き、その許諾なしに住居侵入及び捜索されることはない)口語訳本条は住所の安全を保明す。けだし家宅は臣民各個安棲の地たり。故に私人にして家主の承諾なくして他人の住所に侵入することを得ざるのみならず、警察・司法及収税の官吏、民事又は刑事又は行政の処分を問わず、凡て法...

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憲法義解〜第二十六条

第二十六条 日本臣民は法律に定めたる場合を除く外信書の秘密を侵さるることなし(日本臣民は、法律で定められた場合を除き、親書の秘密を侵されない)口語訳信書の秘密は近世文明の恵賜(けいし)の一たり。本条は刑事の検探又は戦時及事変及その他法律の正条をもって指定したる必要の場合の外、信書を開披し又は破毀してもってその秘密を侵すを許さざることを保明す。現代語訳信書の秘密は、近代文明の恩恵の一つである。本条は...

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憲法義解〜第二十七条

第二十七条 日本臣民は其の所有権を侵さるることなし 公益の為必要なる処分は法律の定むる所に依る(日本臣民は、所有権を侵されない 公益のために必要な処分は、法律で定めるところによる)口語訳本条は所有権の安全を保明す。所有権は国家公権の下に存立する者なり。故に所有権は国権に服属し法律の制限を受けざるべからず。所有権は固(もと)より不可侵の権にして而して無限の権に非ざるなり。故に城塁の周囲線一定の距離に...

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憲法義解〜第二十八条

第二十八条 日本臣民は安寧秩序を妨けす及臣民たるの義務に背かさる限に於て信教の自由を有す(日本臣民は、安寧秩序を乱さず、臣民たる義務に背かない限り、信教の自由を有する)口語訳中古西欧宗教の盛なる、これを内外の政事に混用し、もって流血の禍を致し、而して東方諸国は又厳法峻刑をもってこれを防禁せむと試みたりしに、四百年来信教自由の説始めて萌芽を発し、もって仏国の革命・北米の独立に至り公然の宣告を得、漸次...

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憲法義解〜第二十九条

第二十九条 日本臣民は法律の範囲内に於て言論著作印行集会及結社の自由を有す(日本臣民は、法律の範囲内において言論、著作、図書の刊行、集会及び結社の自由を有する)口語訳言論・著作・印行・集会・結社は皆政治及社会の上に勢力を行う者にして、而して立憲の国はその変じて罪悪を成し又は治安を妨害する者を除く外総てその自由を予えてもって思想の交通を発達せしめ、且もって人文進化の為に有益なる資料たらしめざるはなし...

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憲法義解〜第三十条

第三十条 日本臣民は相当の敬礼を守り別に定むる所の規程に従ひ請願を為すことを得(日本臣民は、敬意と礼節を守り、別に定めた規定に従って、請願することができる)口語訳請願の権は至尊仁愛の至意に由り言路を開き民情を通ずる所以(ゆえん)なり。孝徳天皇の時に鐘を懸け匱(ひつ)を設け諫言憂訴の道を開きたまい、中古以後歴代の天皇朝殿において百姓の申文(もうしぶみ)を読ませ、大臣納言の輔佐(ふさ、補佐)により親く...

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憲法義解〜第三十一条

第三十一条 本章に掲けたる条規は戦時又は国家事変の場合に於て天皇大権の施行を妨くることなし(本章に掲げた条文は、戦時又は国家事変の場合において、天皇大権の行使を妨げるものではない)口語訳本章掲ぐるところの条規は憲法において臣民の権利を保明する者なり。けだし立憲の主義は独り臣民のみ法律に服従するに非ず、又臣民の上に勢力を有する国権の運用をして法律の検束を受けしむるに在り。唯然り。故に臣民倚(より)て...

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憲法義解〜第三十二条

第三十二条 本章に掲けたる条規は陸海軍の法令又は紀律に牴触せさるものに限り軍人に準行す(本章に掲げた条文で、陸海軍の法令又は規律に抵触しないものに限り、準用する)口語訳軍人は軍旗の下に在て軍法・軍令を恪守し、専ら服従をもって第一義務とす。故に本章に掲ぐる権利の条規にして軍法・軍令と相牴触する者は軍人に通行せず。即ち、現役軍人は集会・結社して軍制又は政事を論ずることを得ず、政事上の言論・著述・印行及...

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憲法義解〜第三章

口語訳第三章は帝国議会の成立及権利の大綱を挙ぐ。けだし議会は立法に参する者にして主権を分つ者に非ず。法を議するの権ありて法を定むるの権なし。而して議会の参賛は憲法の正条において附与するところの範囲に止まり、無限の権あるに非ざるなり。(※)議会の立法に参するは立憲の政における要素の機関たる所以(ゆえん)なり。而して議会は独り立法に参するのみならず、併せて行政を監視するの任を間接に負担する者なり。故に...

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憲法義解〜第三十三条

第三十三条 帝国議会は貴族院衆議院の両院を以て成立す(帝国議会は、貴族院及び衆議院の両院で成立する)口語訳貴族院は貴神を集め衆議院は庶民に選ぶ。両院合同して一の帝国議会を成立し、もって全国の公議を代表す。故に両院は或る特例を除く外平等の権力を有ち、一院独り立法の事を参賛すること能はず。もって謀議周匝(しゅうそう、周到)にして輿論の公平を得るを期せむとす。二院の制は欧州各国の既に久しく因襲するところ...

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憲法義解〜第三十四条

第三十四条 貴族院は貴族院令の定むる所に依り皇族華族及勅任せられたる議員を以て組織す(貴族院は、貴族院令の定める所により、皇族、華族及び勅任された議員をもって組織する)口語訳貴族院議員はその或は世襲たり或選挙又は勅任たるに拘らず、均く上流の社会を代表する者たり。貴族院にしてその職を得るときは、政権の平衡を保ち、政党の偏張を制し、横議の傾勢を支え、憲法の強固を扶(たす、助)け、上下調和の機関となり、...

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憲法義解〜第三十五条

第三十五条 衆議院は選挙法の定むる所に依り公選せられたる議員を以て組織す(衆議院は、選挙法の定める所により、公選された議員により組織する)口語訳衆議院の議員はその資格とその任期とを定めて広く全国人民の公選するところを取らむとす。本条議員選挙の制規をもってこれを別法に譲る者は、けだし選挙の方法は時宜の必要を将来に見るに従い、これを補修するの便を取ることあらむとす。故に憲法はその細節に渉ることを欲せざ...

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憲法義解〜第三十六条

第三十六条 何人も同時に両議院の議員たることを得す(何人も、同時に両議院の議員になることは出来ない)口語訳両院は一の議会にして分ちて両局とし、その成素を殊にし、平衡相持するの位置に居る。故に一人にして同時に両院の議員を兼ぬるは両院分設の制の許さざる所なり。現代語訳両院は、一つの議会であるものを分けて二院とし、その構成要素が異なり、平衡を保つように位置づけられる。ゆえに、一人が同時に両院の議員を兼ね...

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憲法義解〜第三十七条

第三十七条 凡て法律は帝国議会の協賛を経るを要す(すべての法律は、帝国議会の協賛を経る必要がある)口語訳法律は国家主権より出る軌範にして、而して、必ず議会の協賛を経るを要するは之を立憲の大別とする。故に、議会の議を経ざる者は之を法律とすることを得ざるなり。一院の可とする所にして、他の一院の否とする所は亦、之を法律とすることを得ざるなり。(附記)何等の事物は法律を以て定めるを要する。乎の問題に至って...

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憲法義解〜第三十八条

第三十八条 両議院は政府の提出する法律案を議決し及各々法律案を提出することを得(両議院は、政府の提出する法律案を議決及び法律案を提出することが出来る)口語訳政府に於いて法律を起草し、天皇の命に由り之を議案となし両議院に付するときは両議院は之を可とし、之を否とし、又は之を修正することを得、若し両議院に於いて或る法律を発行するを必要なりとするときは各々其の案を提出することを得、而して、甲議員之を提出し...

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憲法義解〜第三十九条

第三十九条 両議院の一に於て否決したる法律案は同会期中に於て再ひ提出することを得す(両議院の一つで否決された法律案は、同会期中に再提出することは出来ない)口語訳再議の提出は議院の権利を毀損するのみならず、亦会期遷延して一事に拘滞するの弊あらんとする。故に、本条に之を禁止せり。既に否決を経たる同一の議案を以て其の名称文字を変更し、再び之を提出し、以て本条の規定を避けるは亦憲法の許さざる所なり。君主の...

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憲法義解〜第四十条

第四十条 両議院は法律又は其の他の事件に付各々其の意見を政府に建議することを得但し其の採納を得さるものは同会期中に於て再ひ建議することを得す(両議院は、法律又はその他の事件について、各々その意見を政府に建議することが出来る。ただし、政府が採納しなかった建議は、同会期中に再建議することは出来ない)口語訳本条は議院に建議の権あることを掲げるなり。上条(第三十八条)既に両議院に各々法律案を提出するの権を...

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憲法義解〜第四十一条

第四十一条 帝国議会は毎年之を召集す(帝国議会は、毎年召集する)口語訳議会を召集するは専ら天皇の大権たり。然るに本条に毎年召集することを定めるは、憲法において議会の存立を保障する所以なり。ただし、第七十条に掲げたる場合の如きは非常の例外あり。現代語訳議会を召集するのはもっぱら天皇大権である。しかし、本条で毎年召集することを定めるのは、憲法において議会の存立を保障するためである。ただし、第七十条に掲...

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憲法義解〜第四十二条

第四十二条 帝国議会は三箇月を以て会期とす必要有る場合に於いては勅命を以て延長することあるへし(帝国議会は、会期を三ヶ月とする。ただし、必要な場合は勅命によって延長することが出来る)口語訳三ヶ月を以て会期とする者は議事遷延し窮期なきことあるを防ぐなり。その己むを得ざるの必要あるに当たり、会期を延長し閉会を延期するはまた、勅命に由る。議会自ら之を行うことを得ざるなり。議会閉会したるときは会期の事務は...

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憲法義解〜第四十三条

第四十三条 臨時緊急の必要有る場合において常会の外臨時会を召集すへし 臨時会の会期を定むるは勅命に依る(臨時緊急の必要がある場合は、常会のほかに臨時会を召集することが出来る 臨時会の会期は、勅命によって定める)口語訳議会は一年に一会を開く。之を常会とする。憲法に常会の時期を掲げずといえども、蓋し、常会は以て毎年の予算を議するの便を取る故に、冬季に開会するを例とする。而して、常会の外、臨時緊急の必要...

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憲法義解〜第四十四条

第四十四条 帝国議会の開会閉会会期の延長及停会は両院同時に之を行うへし 衆議院解散を命せられたるときは貴族院は同時に停会せらるへし(帝国議会の開会、閉会、会期の延長及び停会は、両院同時に行わなければならない 衆議院が解散を命じられたときは、貴族院は同時に停会しなければならない)口語訳貴族院と衆議院は両局にして一揆の議会たり。故に、一議院の議を経ずして他の議院の成議を以て法律と為すべからず。文一議院...

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憲法義解〜第四十五条

第四十五条 衆議院解散を命せられたるときは勅命を以て新に議員を選挙せしめ解散の日より五箇月以内に之を招集すへし(衆議院の解散を命じられたときは、勅命によって新たに議員を選挙させ、解散の日から五ヶ月以内に召集しなければならない)口語訳本条は議会の為に永久の保障を与えるなり。蓋し、解散は正に旧議員を解散して新議員を召集せんとする者なり。而して、憲法若し議員解散の後、新たに召集するの時期を一定せざるとき...

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憲法義解〜第四十六条

第四十六条 両議院は各々其の総議員三分の一以上出席するに非されは議事を開き議決を為すことを得す(両議院は、総議院の三分の一以上出席しなければ、議事を開き議決することが出来ない)口語訳出席議員三分の一に充たざるときは以て会議を成立するに足らず。故に、議事を開くことを得ず。及び議決を為すことを得ざるなり。総議員とは選挙法に定めたる議員の総数をいう。三分の一以上出席するに非ざれは、議事を開くことを得ざる...

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憲法義解〜第四十七条

第四十七条 両議院の議事は過半数を以て決す可否同数なるときは議長の決する所に依る(両議院の議事は、過半数によって決する。ただし、可否同数となるときは、議長によって決する)口語訳過半数を以て決を挙げるは議事の常則たり。本条過半数とは出席議院に就いて之をいえるなり。両議平分して各々同数を得るの場合に当って、議長の見る所に依り決を為すは事理宜しく然るべきなり。ただし、第七十三条における憲法改正の議事は例...

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憲法義解〜第四十八条

第四十八条 両議院の会議は公開す但し政府の要求又は其の院の決議に依り秘密会と為すことを得(両議院の会議は、公開とする。ただし、政府の要求又は、その議院の決議によって、秘密会とすることが出来る)口語訳議院は衆庶を代表す故に、討論可否之を衆目の前に公にす。ただし、議事の秘密を要する者、外交事件、人事及び職員、委員の選挙、又は或る財政、兵政、或る治安に係る行政法の如きはその変例とし、政府の要求に依り、又...

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憲法義解〜第四十九条

第四十九条 両議院は各々天皇に上奏することを得(両議院は、天皇に上奏することが出来る)口語訳上奏は文書を上呈して、天皇に奏聞するをいう。或いは勅語に奉対し、或いは慶賀吊傷の表辞を上(たてまつ)り、或いは意見を建白し、請願を陳疏するの類、皆その中に在り。而して、或いは文書を上呈するに止まり、或いは総代を以て観閲をいい、之を上呈するも皆相当の敬礼を用いるべく逼迫強行にして尊厳を干犯することあるを得ざる...

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憲法義解〜第五十条

第五十条 両議院は臣民より呈出する請願書を受くることを得(両議院は、臣民より提出された請願書を受理することが出来る)口語訳臣民は至尊に請願し又は行政官宮衛に請願し議院に請願すること総てその意に随うことを得。その議院に在りては各人の請願を受けて之を審査し、或いは単に之を政府に紹介し、或いは之に意見書を附して政府の報告を求めることを得。ただし、議院は必ずしも請願を議定するの義務あることなく、政府は必ず...

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憲法義解〜第五十一条

第五十一条 両議院は此の憲法及議院法に掲くるものの外内部の整理に必要なる諸規則を定むることを得(両議院は、この憲法及び議院法に掲げられているもののほか、内部の整理に必要な諸規則を定めることが出来る)口語訳内部の整理に必要なる諸規則とは、議長の推薦、議長及び事務局の職務各部の分設、委員の推選、委員の事務、議事規則、議事記録、請願取扱規則、議院請暇、規則、紀律及び議院会計の類を請う。而して、憲法及び議...

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憲法義解〜第五十二条

第五十二条 両議院の議員は議院に於いて発言したる意見及び表決に付き院外に於いて責を負うことなし但し議員自ら其の言論を演説刊行筆記又は其の他の方法を以て公布したるときは一般の法律に依り処分せらるべし(両議院の議員は、議院で発言した意見及び表決について、院外で責任を負うことはない。ただし、議員自らが言論を演説、刊行、筆記及びその他の方法で公布したときは、一般の法律によって処分される)口語訳本条は議院の...

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憲法義解〜第五十三条

第五十三条 両議院の議員は現行犯罪又は内乱外患に関する罪を除く外会期中其の院の許諾なくして逮捕せらるることなし(両議院の議員は、現行犯又は内乱外患にかかわる罪を除くほか、会期中にその議院の許諾なく逮捕されることはない)口語訳両議院は立法の大事を参賛す。故に、会期の間、議院に与えるに例外特権を以てし、議院をして不覇の体面を有ち、其の重要の職務を尽すことを得せしめんとする。若し夫れ、現行犯罪又は内乱外...

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憲法義解〜第五十四条

第五十四条 国務大臣及び政府委員は何時たりとも各議院に出席し及び発言することを得(国務大臣及び政府委員は、いつでも各議院に出席して発言することが出来る)口語訳議会の議事に当たり、議場に弁明するは大臣重任の在る所にして、万衆に対し心胸を開き正理を公議に訴え、嘉謀を時論に求め、其の底蘊(ていうん)を叩き、遺憾なからしめる。蓋し、此の如くならざれば以て立憲の効用を収めるに足らざるなり。ただし、出席及び発...

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憲法義解〜第四章

口語訳国務大臣は輔弼の任に居り、詔命を宣奉し政務を施行す。而して、枢密顧問は重要の諮詢に應え、枢密の謀議を展(の〉ぶ。皆天皇最高の輔翼たる者なり。現代語訳国務大臣は天皇を補佐する任にあり、詔命を承って政務を行う。そして枢密顧問は重要な国務に関する意見に応え、政治上の重要な秘密を議論し意見を述べる。国務大臣と枢密顧問は天皇の最高の補佐となるものである。

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憲法義解〜第五十五条

第五十五条 国務各大臣は天皇を輔弼し其の責に任す 凡て法律勅令其の他国務に関る詔勅は国務大臣の副署を要す(国務大臣は、天皇を輔弼し、その責任を負う すべての法律、勅令及びその他国務に関する詔勅は、国務大臣の副署を必要とする)口語訳国務各大臣は入て内閣に参賢し、出て各部の事務に当たり大政の責に任ずる者なり。凡そ大政の施行は必ず内閣及び各部に由り、其の門を二にせず。蓋し、立憲の目的は主権の使用をして正...

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憲法義解〜第五十六条

第五十六条 枢密顧問は枢密院官制の定むる所に依り天皇の諮詢に応へ重要の国務を審議す(枢密顧問は、枢密院官制の定める所により、天皇の諮詢に応え重要な国務を審議する)口語訳恭て按ずるに、天皇は既に内閣に寄って以て行政の揆務(きむ)を総持し、又枢密顧問を設けて、以て詢謀の府とし、聡明を裨補して偏聴なきを期せんとする。蓋し、内閣大臣は内外の局に当たり、敏給捷活以て事機に応ず。而して、優裕静暇思を潜め、慮を...

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憲法義解〜第五十七条

第五十七条 司法権は天皇の名に於て法律に依り裁判所之を行ふ 裁判所の構成は法律を以て之を定む(司法権は、天皇の名において法律によって裁判所が行う 裁判所の構成は法律によって定める)口語訳行政と司法と両権の区別を明らかにする為に弦に之を約説すべし。日く、行政は法律を執行し、又は公共の安寧秩序を保持し、人民の幸福を増進する為に便宜の経理及び処分を為す者なり。司法は権利の侵害に対し、法律の規準に依り之を...

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憲法義解〜第五章

口語訳司法権は法律の定める所に依遵(いじゅん)し、正理公道を以て臣民権利の侵害を回復し、及び刑罰を判断するの職司とする。古、政治簡朴なるに当って各国政庁の設、未だ司法行政の別あらざりしは史籍の証明する所なり。其の後文化益々繁きに至って始めて司法と行政との間に職司を分画し、其の構制を殊にし、其の畛域(しんいき)を慎み、互に相干渉せず。以て立憲の政体に至大の進歩を成さしめたり。現代語訳司法権は法律の定...

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憲法義解〜第五十八条

第五十八条 裁判官は法律に依り定めたる資格を具ふる者を以て之に任す 裁判官は刑法の宣告又は懲戒の処分に由るの外其の職を免せらるることなし 懲戒の条規は法律を以て之を定む(裁判官は、法律で定めた資格を有する者を任命する 裁判官は、刑法の宣告又は懲戒処分によるほかに、罷免されることはない 懲戒の条規は、法律で定める)口語訳裁判官は法律を主持し、人民の上に衡平の柄を執らんとする。故に、専科の学識及び経験...

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憲法義解〜第五十九条

第五十九条 裁判の対審判決は之を公開す但し安寧秩序又は風俗を害するの虞あるときは法律に依り又は裁判所の決議を以て対審の公開を停むることを得(裁判の対審及び判決は、公開する。ただし、安寧秩序又は風俗を害するおそれがあるときは、法律又は裁判所の決議により、対審の公開を停止することが出来る)口語訳裁判を公開し、公衆の前に於いて対理口審するは人民の権利に対し、尤(もっと)も効力あるの保障たり。裁判官をして...

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憲法義解〜第六十条

第六十条 特別裁判所の管轄に属すへきものは別に法律を以て定む(特別裁判所の管轄に属すものは、別に法律で定める)口語訳陸海軍人の軍法会議に属するは即ち普通なる司法裁判所の外に於ける特別裁判所の管轄に属するものとする。其の他商工の為に商工裁判所を設けるの必要あるに至れば、また普通の民事裁判の外に特別の管轄に属するものとする。凡そ此れ皆法律を以て之を規定すべくして、命令を以て法律の除外例を設けることを得...

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憲法義解〜第六十一条

第六十一条 行政官庁の違法処分に由り権利を傷害せらたりとするの訴訟にして別に法律を以て定めたる行政裁判所の裁判に属すへきものは司法裁判所に於て受理する限りに在らす(行政官庁の違法処分によって権利を侵害されたとする訴訟で、別に法律をもって定めた行政裁判所の裁判に属すべきものは、司法裁判所において受理するものではない)口語訳現代語訳行政裁判は、行政処分に対する訴訟を裁判することをいう。思うに、法律は既...

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憲法義解〜第六章

口語訳会計は国家の歳出歳入を整理する所の行政の要部にして、臣民の生計と密接の関連を為す者なり。故に、憲法は殊に之を慎重して帝国議会の協賛及び監督の権限を明確にする。現代語訳会計は国家の歳出歳入を整理する行政の要の部分であり、臣民の生計と密接に関連をするものである。ゆえに、憲法はとくにこれを慎重に規定し、帝国議会の協賛及び監督の権限を明確にする。

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憲法義解〜第六十二条

第六十二条 新に租税を課し及税率を変更するは法律を以て之を定むへし 但し報償に属する行政上の手数料及其の他の収納金は前項の限に在らす 国債を起し及予算に定めたるものを除く外国庫の負担となるへき契約を為すは帝国議会の協賛を経へし(新たに租税を課し、また税率を変更するには、法律で定めなければならない ただし、報償に属する行政上の手数料及びその他の収納金は、前項の限りではない 国債を発行し、また予算に定...

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憲法義解〜第六十三条

第六十三条 現行の租税は更に法律を以て之を改めさる限は旧に依り之を徴収す(現行の租税は、法律によって改めない限りは、従来どおりに徴収する)口語訳前条己に新たに課するの租税は必ず法律を以て之を定めるべきことを保明したり。而して、本条は現行の租税は嗣後更に新定の法律を以て之を改正するの事あらざる限りは総て従前の旧制及び旧税率に依遵して之を徴収すべきことを定める。蓋し、国家は其の必要の経費に供する為に一...

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憲法義解〜第六十四条

第六十四条 国家の歳出歳入は毎年予算を以て帝国議会の協賛を経へし 予算の款項に超過し又は予算の外に生したる支出あるときは後日帝国議会の承諾を求むるを要す(国家の歳入歳出は、毎年予算を帝国議会の協賛を経なければならない 予算の費目の額から超過したり、予算外に生じた支出がある時は、後日帝国議会の承諾を求める必要がある)口語訳予算は以て会計年度の為に歳出歳入を予定し、行政機関をして其の制限に準拠せしめん...

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憲法義解〜第六十五条

第六十五条 予算は前に衆議院に提出すへし(予算は、先に衆議院に提出しなければならない)口語訳本条予算議案を以て衆議院に最先の特権を付したり。蓋し、予算を議するは政府の財務と国民の生計とを対照し、両々顧応し豊倹の程度を得せしめるを要す。此れ及び衆民の公選に依り成立する代議士の職任に於いて尤も緊切なりとする所なり。現代語訳本条は、衆議院に予算先議権を与えたものである。思うに、予算を審議するのは、政府の...

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憲法義解〜第六十六条

第六十六条 皇室経費は現在の定額に依り毎年国庫より之を支出し将来増額を要する場合を除く外帝国議会の協賛を要せす(皇室経費は、現在の定額を毎年国庫より支出し、将来に増額を必要とした場合以外は、帝国議会の協賛を必要としない)口語訳第六十四条に予算は帝国議会の協賛を経べきことを定めたり。而して、本条は皇室経費の為に其の例外を示す者なり。恭て按ずるに、皇室経費は天皇の尊厳を保つ為に欠くべからざるの経費を供...

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憲法義解〜第六十七条

第六十七条 憲法上の大権に基つける既定の歳出及法律の結果に由り又は法律上政府の義務に属する歳出は政府の同意なくして帝国議会之を廃除し又は削減することを得す(憲法上の天皇大権に基づく既定の歳出及び法律の結果生じた歳出、または法律上で政府の義務に属する歳出は、政府の同意なしに帝国議会がこれを排除又は削減する事は出来ない)口語訳「憲法上の大権に基つける既定の歳出」とは第一章に掲げたる天皇の大権に依れる支...

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憲法義解〜第六十八条

第六十八条 特別の須要に因り政府は予め年限を定め継続費として帝国議会の協賛を求むることを得(特別の必要があるときは、政府は予め年限を定めて、継続費として帝国議会の協賛を求めることが出来る)口語訳歳費は毎年に議定するを以て常とする。蓋し、国家の務は活動変遷して一定の縄尺を以て概律すべからず。故に、国家の費用は亦、前年を以て後年に推行すべからず。但し、本条特別の須要ある場合に対し、例外を設けるは陸海軍...

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憲法義解〜第六十九条

第六十九条 避くへからさる予算の不足を補ふ為に又は予算の外に生したる必要の費用に充つる為に予備費を設くへし(避くことの出来ない予算の不足を補うために、または予算外に生じた必要な費用に充てるために、予備費を設けなければならない)口語訳本条は予備費の設を以て予算の不足及び予算の外の必要なる費用を補給することを定める。蓋し、第六十四条は予算超過及び予算外支出に付き議会の事後承諾を求めるべきことを掲げたり...

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憲法義解〜第七十条

口語訳本条の解釈は既に第八条に具わる。但し、第八条と異なる所の者は第八条は憲法に於いて議会開会せざるときは臨時会の召集を要せず。本条は議会開会せざるときは臨時会の召集を要す。而して、内外の情形に由り、議会を召集し能わざるときに限り、始めて議会の協同を待たずして必要の処分を施すことを得。蓋し、本条は専ら財政に関わるを以て更に一層の慎重を加えるなり。所謂「財政上必要の処分」とは立法議会の協賛を経べき者...

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憲法義解〜第七十一条

口語訳議会自ら議定の結局を為さずして閉会に至るときは之を「予算を議定せす」とする。両議院の一に於いて予算を廃棄したるときは之を「予算成立に至らす」とする。其の他、議会未だ予算を議決せずして停会又は解散を命ぜられたるときは、其の再び開会するの日に至るまで亦「予算成立せさる」の場合とする。議会に於いて予算を議定せず、又は予算成立に至らざるときは其の結果は、大にしては国家の存立を廃絶し、小にしては行政の...

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憲法義解〜第七十二条

口語訳予算は会計の初とし、決算は会計の終とする。議会の会計を監督するに其の方法二つあり。即ち一は期前の監督にして、二は期後の監督とする。期前の監督とは次年度の予算を承諾するを謂い、期後の監督とは経過せる年度の決算を審査するを謂う。此の期後の監督を取る為に政府は会計検査員の検査を経たる決算を以て該院の報告を併せて議会に提出するの義務あり。検査院の職掌は、一に各部の出納官の証明を検査し、其の責任を解除...

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憲法義解〜第七十三条

口語訳恭て按ずるに、憲法は我が天皇の親しく之を制定し、上、祖宗に継ぎ、下、後世に遺し、全国の臣民及び臣民の子孫たる者をして其の条則に遵由せしめ、以て不磨の大典となす所なり。故に、憲法は紛更を容さず。但し、法は社会の必要に調熟して其の効用を為す者なり。故に、国体の大綱は万世に亘り永遠恒久にして移動すべからずと言えども、政制の節目は世運と倶に事宜を酌量して之を変通するは亦己むべからざるの必要たらずんば...

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憲法義解〜第七十四条

口語訳恭て按ずるに、憲法の改正は既に議会の議を経るを要する。而して、皇室典範は独り其の議を経るを要せざるは何ぞや。蓋し、皇室典範は皇室自ら皇室の事を制定する。而して、君民相関かるの権義に渉る者に非ざればなり。若し夫れ、改正の必要あるに当って、之を皇族会議及び枢密顧問に付するの条則の如きは亦典範に於いて之を制定すべき者にして、而して、憲法に之を示明するの要用なし。故に、此の条に之を併せ掲げざるなり。...

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憲法義解〜第七十六条

口語訳維新の後、法令の頒布は御沙汰書(ごさたがき)又は布告及び布達と称える。明治元年八月十三日法令頒布の書式を定め、以後、被仰出御沙汰等の文字を用いたるは行政官に限り、其の他の五官(神祇官、会計官、軍務官、外国官、刑法官)及び府県は申達の字を以てする。五官府県に於いて重立たる布告は行政官に差し出し、議政官決議の上、行政官より達せしめる。五年正月八日達に、自今、布告に番号を附し、各省の布達亦同様たら...

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