悠久のときから続いてきた1つの系統、万世一系の天皇の意味とは

 

神武天皇

はじめに

 

天皇は、万世一系といわれます。
日本に住んでいながら天皇や万世一系がどういうものなのかわからない方も多いかもしれません。

 

ここでは、天皇や万世一系の意味ををご紹介します。

 

 


 

天皇とは

 

天皇について

万世一系の意味の前にそもそも天皇とは何かをご紹介します。

 

天皇とは、「てんのう」あるいは「すめらみこと」と読みます。
その言葉は、古事記や日本書紀から出てきます。

 

そして日本の歴史において一貫していることは、どの時代にも天皇が存在しているということです。
天皇が直接権力を振るう時代は少なく、権威の存在として、祭祀や学芸、官職の補任を行う時代が圧倒的に長いのが特徴です。

 

天皇号の成立

天皇号は、7世紀中頃の天武天皇の時代に成立しました。
それ以前の時代は、「天皇」ではありません。

 

しかし「すめらみこと」と呼ばれ、存在しています。

 

実在性については、不確かで今後の研究になりますが、伝承によれば神武天皇が初代の天皇です。

 

天孫降臨

天皇は、古事記や日本書紀に出てくる天照大神(あまてらすおおみかみ)が皇室の皇祖神(こうそしん)です。
つまり、皇室の先祖にあたる神です。

 

天照大神の孫である皇孫(こうそん)、邇邇芸命(ににぎのみこと)が天上である高天原から、宮崎県の高千穂の地に天下ります。
これを「天孫降臨」といいます。

 

神武天皇

神々が天孫降臨したのち、邇邇芸命のひ孫にあたる、神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)が東征します。
そして奈良の橿原宮(かしはらのみや)にて始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)として即位して始まりました。

 

この始馭天下之天皇が初代神武天皇です。
またこの即位の日が今の暦で2月11日の建国記念日に当たります。

 

天皇の治世

日本書紀を始めとする歴史書の記述には、それぞれの天皇の治世が記載されています。
そこには時の権力者達による政治が行われていました。

 

それぞれの時代区分で見ていきます。

 

古墳時代では、大王を中心とした氏族政治。後期になると氏族による合議をもとにした政治。
飛鳥時代では、蘇我氏の専横から大化の改新後の律令法を継受した政治。
奈良時代では、天皇や皇族を中心とした皇親政治。
平安時代では、奈良から京都に都を遷都そして藤原氏による摂関政治や天皇家の家長である治天の君による院政政治。
鎌倉時代では、鎌倉幕府による武家政治。
南北朝時代では、鎌倉幕府が滅亡し一時期建武の新政。
室町時代では、室町幕府による武家政治。
戦国時代では、群雄割拠によって世が乱れていましたが京都には天皇がいます。
江戸時代では、徳川幕府による武家政治。
江戸時代末期では、徳川家から天皇に大政奉還、王政復古となります。
明治時代から始まる大日本帝国の時代では、薩摩長州による藩閥政治、政党による立憲政治、大政翼賛会による翼賛政治。

 

そして第2次世界大戦で敗戦を迎えることになりました。
しかし今日の日本においても、政党による立憲政治が行われ、天皇の皇統はなお続いています。

 

このように、それぞれの時代において時の権力者がいました。
それに対して天皇は、時に政治を行うこともありましたが、共通していることは祭祀を行い、学芸に励み、官職を補任していました。

 

また元号を使うことによって中華皇帝と同じように時を支配しています。
このように権力を集中させるのではなく、あくまで権威の存在としての天皇の歴史が長いのが特徴です。

 

ちなみに今では日本の歴史のことを日本史と呼んでいますが、戦前は国史と呼んでいました。
国史とは、古語拾遺の記載に従うのであれば、朝廷の記録と呼んでおり、朝廷の記録とは天皇であり、天皇の歴史が国史になります。

 

万世一系とは

 

世界で一つ

万世一系とは、つまり一つの系統が今後も続いていく意味を表しています。

 

世界各国の君主の系統の中で、万世一系の君主とは日本の天皇をおいて他には存在しません。
それは現在のイギリス王室やスペイン王室を比べてもです。

 

イギリスの王朝

イギリスを例に挙げると、エリザベス二世はウィンザー朝という王朝です。
つまりウィンザー朝自体は一つの系統です。

 

しかし、その前の王朝といえば、世界に冠たる大英帝国の治世を築き上げたヴィクトリア女王がいた王朝で、その王朝はハノーファー朝でした。

 

ハノーファー朝の前はスチュアート朝で、イギリスでは度々王朝が変わっています。
そのため、万世一系の君主とはいえません。
なぜイギリスでは王朝が変わるのかといえば、女王の子供が王位を継ぐことを認めているためです。

 

女王の子供が王位に就くことによって、そこで王朝が切り替わります。
これを女性の系統である女系といいます。

 

男系の天皇

日本ではイギリスの王朝とは異なり、歴史的には男系の天皇で皇統を継いできました。
つまり天皇の父方を辿ればすべて皇族に連なり、初代の神武天皇に行き着くことになります。

 

それは長い皇統譜を確認すればわかります。

 

皇室典範

男系の天皇で皇統を継いでいくというのは、今では、皇室典範に記載がありますが、皇室典範がない時代は先例に基づいていました。

 

現行の皇室の家法である皇室典範には以下の記載があります。

 

 皇室典範
 第一条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。

 

近代立憲政治の基礎を作った伊藤博文の著書である皇室典範義解(こうしつてんぱんぎげ)というものがあります。
ここでいう皇室典範とは、明治に定められたものになります。
そして皇室典範義解とは、皇室典範作成者によるいわば公式解釈書です。

 

そこに現行の皇室典範と同じ第一条の解釈として三つの原則を定めています。

 

 第一 皇祚(こうそ)を践(ふ)むは皇胤(こういん)に限る
 第二 皇祚を践むは男系に限る
 第三 皇祚は一系にして分裂すべからず

 

現代語訳しますと以下のとおりです。

 

 第一 天皇の位を継ぐには天皇の系統(皇統)に限る
 第二 天皇の位を継ぐには男系に限る
 第三 天皇の位は一系にして分裂してはならない

 

男系とは、男性天皇の男子あるいは女子も例外として認められますが、女性天皇の男子あるいは女子は認められません
また皇室典範自体、今まで日本の歴史の中で作られてきた先例を条文にしたものです。

 

一つの系統が連綿と続いており、未来にも続いていくこと、これが万世一系となります。

 

この記事で学べること

 

記事のまとめ

いかがだったでしょうか。

 

天皇は、日本の歴史に一貫して存在しています。
これは世界に類を見ない日本独自の国柄です。

 

そして天皇が直接権力を振るう時代は少なく権威の存在として、祭祀や学芸、官職の補任を行う時代が圧倒的に長いのが特徴です。

 

また天皇は、父方を辿ればすべて皇族に連なることになり、これをもって万世一系を根底においているといえます。

 

万世一系といわれるのは、歴史が一貫して続いてきたからです。
どこかで途切れてしまえば、そうなっていませんでした。

 

世界の国と比較して日本が誇れる要素です。
個人でいえば1つの個性でもあります。

 

その観点で見れば、万世一系の天皇が存在しているというのは誇ることが出来ると思います。

 

考えてほしいこと

この記事から考えてほしいことを質問します。

 

自分にとって誇ることが出来るものは何でしょうか?
またその理由も考えてみて下さい。

 

この記事のおすすめ本

憲法義解(岩波文庫)(伊藤 博文)

「憲法とは何か」を伊藤博文に学ぶ『憲法義解』現代語訳&解説(相澤 理)

 
この記事はお役に立ちましたでしょうか。 この記事が誰かの役に立ちそうだと感じて頂けましたら、下のボタンから共有をお願い致します。     このエントリーをはてなブックマークに追加  
昭和12年学会
ページの先頭へ戻る